265 ページ15
、
ちょうどその時、マクゴナガル先生が教室のドアを開けた。まさにグッド・タイミングだった。ハーマイオニーとロンが火花を散らして睨み合っていた。二人は昨日から、教室に入ってもハリーを挟んで両側に座り、授業中ずっと口も利かなかったのだ。
終業のベルが鳴るころ、先生のほうからホグズミードの話が出た。
「ちょっとお待ちなさい！」
みんなが教室から出ようとするのを、先生が呼び止めた。
「みなさんは全員私の寮の生徒ですから、ホグズミード行きの許可証をハロウィーンまでに私に提出してください。許可証がなければホグズミードもなしです。忘れずに出すこと！」
「あのー、先生、ぼ、僕、なくしちゃったみたい──」
ネビルが手を挙げた。
「ロングボトム、あなたのおばあさまが、私に直送なさいました。そのほうが安全だと思われたのでしょう。さあ、それだけです。帰ってよろしい」
Aは思い出したように鞄の中に手を入れた。ホグズミードの許可証を、部屋から持ち出して鞄の中に入れたはずだ。
「…………あ、あれ？」
Aは小首を傾げた。ごそごそ鞄の中をあさっても、許可証が見当たらないのだ。朝、カバンの中の荷物を整理していたときのことを思い出した。いいや、確かに入れたはずだ──鞄の中に許可証を入れて、それから朝食に行ったのだ。
鞄は閉じていたのに、どこかで落とすなんてことがあるのだろうか。Aは肩を落とした。机の下を見てみたりもしたが、やはり見当たらない。
仕方ない。またあとで探そう。Aは教室をあとにした。
─────
「A、何してるんだ？」
放課後、廊下を行ったり来たりしながらあちこちをキョロキョロ見渡しているAを見て、リーが声をかけた。
「リー、授業が終わったのか？」
「ああ」
「フレッドとジョージは？」
「スネイプの罰則さ。あいつら、調合中の薬に余計なもんを入れて爆発させたんだ」
「二人らしいな」
Aは苦笑した。
「で、何してたんだ？」
「うん……あ、あの、実は…」
Aはしゅんと肩を落とした。
「ホグズミードの許可証をどこかに落としちゃったみたいなんだ」
、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 783人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
猫 - 愛憎のフィナーレのパスワードを教えてください！ (2023年1月29日 22時) (
レス) id: dd386e9727 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - アイスさん» 前作からありがとうございます〜！そうですね〜〜！！早くシリウスとも絡ませたいなって思ってます🥰更新頑張ります！ありがとうございます〜💓💓 (2022年1月5日 21時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
アイス - (下の文章の続きです)ちなみに、私はシリウスとウィータさんがどうなるか気になりますね。あ、恋愛的な意味じゃないですよ？シリウスと似た環境にあるウィータさんをシリウスはどう思うのかな？と気になってます。更新、待ってます！ (2022年1月5日 21時) (レス) @page29 id: 645b322652 (このIDを非表示/違反報告)
アイス - 前作の愛憎のフィナーレから読んでます！鵲さんは小説を書くのが上手ですね！なんか読んでいてもっと読みたくなります。毎日、更新されたか確認してます(苦笑）とっても応援してますよ。頑張って下さいね！ (2022年1月5日 21時) (レス) @page29 id: 645b322652 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - 犬好きさん» わー！！前作も！！ありがとうございます！！😭🙏💖嬉しいですー！！！！！更新がんばります！！！！ (2022年1月5日 1時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鵲
| 作成日時：2021年12月24日 2時
