あまじゃにすと。-Part3-

お泊まり(神山/リアル)�� ページ19

.







外に出てみたはいいものの


ここ、どこだっけ



智くんち、だから


あれ、…駅どっち？？





方向音痴の私には

無理難題すぎる…。







しばらく歩いたところで

携帯の地図機能使えばいいこと思いだして、


ポッケから取り出す。





するとすぐに







.









「Aっ、」



後ろから腕ぐいっと引っ張られて


智くんだ、ってわかった。




優しい声と、独特の香水の匂い。








A「と、もく…ん…っ」




溢れる涙。


ごめんね智くん、、


泣くなんて卑怯だ。







「泣くなや、」



頰に触れようとして、智くんの動きがピタっと止まる







忘れてた、ここ、外だった。




智くんは、アイドル。




写真なんか撮られたら…。




.






「抱きしめたいけど…ここじゃできひんから

…うち、帰っておいで？」




哀しそうな瞳。




ごめんね智くん、ぜんぶ、ごめん。





.






10mくらい先を歩く智くんを見ながら


元来た道を戻る。




智くんのさっきの目を見て


辛いのは私だけじゃないのかも、って思ったんだ。





智くんは、人見知りだし

なんでも完璧にこなしたがるから


たぶん、私が思う以上に、色々のしかかってると思うの。




なんで、なんで気づかないんだろ…


今日だって、仕事押してて、疲れて帰ってきたのに



変に私が出歩くから。


また迷惑かけちゃった。





こんなんで、彼女、って言えるのかな…。








.









コト、と置かれたマグカップ。



私の好物の冷たいココア。


いつも智くんは常備してくれてる。





「ほら、飲み？ココアやで」


A「ん、…ありがと」





.






「あんさ、」




ソファに座る私のすぐ横に

腰を下ろして


ゆっくり肩を抱かれる。





「ごめんな？」


A「ぇ、…？なんで智くんが、」


「さっきの言い方、酷かったよな。ごめん」


A「ちがうよ、？謝るのは私なの、」


「ええねん。待っとってくれたん、ほんとはめっちゃ嬉しかったし」


A「ほ、んと？」




いつものピッカピカの笑顔、見せてくれて


本心だって、なんでかわかった。




「俺、こんな仕事やし

寂しい思いさせよるよな、」


A「……」



…それは否めない。

だけど、





.

お泊まり(神山/リアル)��→←お泊まり(神山/リアル)��

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す