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だが死すら怖い ページ7

「(レアン寮にコインを求めにいったとしたら、あそこには僕の薬で魔力強化された人間が大勢いる。何故そんな事にすら気づかなかった⁉︎)」

机の上にある魔力強化と自動治癒の薬達を口に含む。

「…ぅ、ん、う"ぉ」

一気に飲み込んだためか体が拒否反応を起こし震え始めたが、それによりAは意識を保つ事ができた。

ズズ、

顔と痛みに耐えようと爪を食い込ませた掌から血が流れ白衣は赤く染まった。


「(僕のせいだ!もっと慎重に扱うべきだった、僕が価値を見誤った!)」

血と生理的か情動性かもわからない涙でぼやける視界で、Aは漸く氷のような透明感のある水色の髪を見つけた。





違う

「ランス君をどうした」

ランスの見た目をした男の顔が剥がれ、徐々に金髪の青年が見えてくる。

「…悪いけど、2人も相手もしている暇ないんだよね」

2人、そう言われてAは自分の他にアドラ寮監督生がいる事を知った。

「答えたまえ」
「しつこいなぁ」

ボギッ

両腕を絡ませて折った筈のAの腕は何もなかったかのように動いている。その事に金髪の青年_セル・ウォーは動揺した。

「…まあいい」
「ランス君はどうしたと聞いている」

セルを追いかけながら魔法を放つ間に、アドラ監督生との距離が離れてしまったことに気づいた。もう応援は呼べない。

「ランチュランス〜♡って何?好きなの?気持ち悪いなぁお前」

炭素の塊が刺さった勢いでAの体は吹き飛んだ。

「さっさと終わらせてやるよ、早くアビスの所に行きたいんだ」
「(魔返しの鏡…)」

嗚呼、死ぬ。
頬に刺さった炭素が痛い。治癒薬を使っているから本当は痛くはないけど、もう嫌だ。そうだよ、本当はこんな学校入りたくなんかなかったんだ。怖いのも痛いのも全部嫌。だって怖いから。


「ナルコス」


放った魔力の弾は跳ね返り、Aの体が吹き飛んだ反動で壁は崩壊した。

「あははっ!馬鹿じゃねぇのお前‼︎これは魔法を跳ね返すものだって習わなかったの?」

そう嘲笑いAを踏みつけようとした瞬間セルは気づいた。

「(コイツ…)」


「Aさん…⁉︎」


「(自分で壁を壊して応援を呼んだ…⁉︎)」

あ、フィン君だ。ランス君も此処にいるだろうか。まあいい、きっとこの中の誰かが倒してくれる。

「魔返し、炭素の塊…」
この情報さえ伝えれば大丈夫だろう。そうAは目を閉じた。
__
死を望むは臆病者の行為なり。
オヴィディウス 『書簡』

理由は教えてあげない→←どうか知らないままで



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はな(プロフ) - 透さん» ご指摘有難う御座います!私ずっとウェーだと思ってました…(にわか)。これからも引き続きお願いします! (3月31日 11時) (レス) id: 2ebd6ae62e (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 本好きさん» コメント有難うございます!結構こだわってるのでそう言って貰えてすごく嬉しいです! (3月31日 11時) (レス) id: 2ebd6ae62e (このIDを非表示/違反報告)
- 細かい所なんですけど、セル・ウォーのウォーがウェーになっています。楽しく読ませてもらっています!! (3月31日 8時) (レス) @page7 id: 23dba55806 (このIDを非表示/違反報告)
本好き(プロフ) - 毎回お話の最後にある文章がこだわりを感じて好きです。これからも楽しく読ませていただきます。 (3月30日 21時) (レス) @page7 id: 860fd688d9 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 華さん» コメント有難うございます‼︎そう言って頂き光栄です。これからもそう思って頂けるよう頑張ります! (3月30日 20時) (レス) @page7 id: 2ebd6ae62e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はな | 作成日時:2024年3月28日 21時

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