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どうか知らないままで ページ6

その言葉にランスは信じられないとばかりに目を見開いた。

「…貴様、前にもオレと会った事があるのか?」
「さあ?君が覚えている事だけが真実さ」

答えになってない。もしマッシュとフィンの言葉が事実だとしたら自分は記憶障害があるということになる。

「おい、真面目に答えろ。このままオレがアンナのことまで忘れたらどうする…‼︎」
「君は忘れたいと思ったから忘れたんだ。本当に覚えていたいことはいつでも君の心の中にある。忘れる程度の記憶なんて最初から然程大事でもないんだよ」

今日()待ってるよ、なんて言葉とプロテインだけを残して彼女は去って行った。


「…やっぱり会った事あるだろ」

.

「…」

ランスはその日研究室には来なかった。

「ふ、ふふ」

その事実にAは口を緩める。月明かりに照らされていることも相まり、見る人が見れば殺人鬼に見えたことだろう。

「遂に、遂に…!僕という存在が!」

魔法で浮かせた試験管を床に勢いよく落とす。掃除が面倒とかそんなことを忘れて、思いのままに研究室内を破壊していった。

そのまま夜が明け、Aの頭は漸く冷静さを取り戻した。


「(そういえば彼は前に魔法の秤の前にいたな…金のコインを求めていたのか?だと、した、ら)」


彼の命が、危ない

__
ものごとには知るタイミング、っていうのがあるの。
いったんそれを逃したら、知らないままでいたほうがいいこともあるんじゃないかな。
少なくとも、しかるべき次のタイミングが来るまではね。
綾辻行人『Another』

だが死すら怖い→←無知は罪



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はな(プロフ) - 透さん» ご指摘有難う御座います!私ずっとウェーだと思ってました…(にわか)。これからも引き続きお願いします! (3月31日 11時) (レス) id: 2ebd6ae62e (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 本好きさん» コメント有難うございます!結構こだわってるのでそう言って貰えてすごく嬉しいです! (3月31日 11時) (レス) id: 2ebd6ae62e (このIDを非表示/違反報告)
- 細かい所なんですけど、セル・ウォーのウォーがウェーになっています。楽しく読ませてもらっています!! (3月31日 8時) (レス) @page7 id: 23dba55806 (このIDを非表示/違反報告)
本好き(プロフ) - 毎回お話の最後にある文章がこだわりを感じて好きです。これからも楽しく読ませていただきます。 (3月30日 21時) (レス) @page7 id: 860fd688d9 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 華さん» コメント有難うございます‼︎そう言って頂き光栄です。これからもそう思って頂けるよう頑張ります! (3月30日 20時) (レス) @page7 id: 2ebd6ae62e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はな | 作成日時:2024年3月28日 21時

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