上っ面正義 ページ14
「すみませーん遅れちゃって…」
「済まない、服を選んで貰ってたんだ」
「俺も竹の世話があってな‼︎」
なんやかんやでマッシュ達と合流した。また記憶を消されているランスはAを見ながら誰だこいつと思った。口には出さない。
「昨日ぶりだねマッシュ君」
「おっす」
「昨日2人で私に内密で会ってたんですか?2人きりで?」
レモンは怒りに満ち溢れていたが、昨日の2人の出会いは彼女が思っているほど可愛らしいものではない。まあ、そうだとしても彼女は嫉妬するが。
「いや裁判で」
時は遡り1日前_
「それではただいまよりマッシュ・バーンデッドの魔法不全隠匿について緊急尋問を行う」
「(僕帰っていいかな…)」
A・リドゥは遠い目をしながら裁判官の様な男を見た。ストレスか老いによって彼の頭は寒そうである。
ほぼほぼ話を聞いていなかったが、どうやらマッシュ・バーンデッド、魔法が使えないらしい。
魔法不全者を殺せ!と言う程差別意識はない。ただ、本当にマッシュが魔法不全者ならばこの学院から去った方がいいだろう。
イーストン
でも今回Aはこの件で呼ばれた訳ではない。ならば大人しく傍聴していよう。
「ここは規則通りちゃっちゃとやって早く帰ろーぜ」
大人しく、
「死を以って償ってもらいましょう」
大人しく、
「どうやら大人は子供の未来を潰すのが大好きらしい」
気がつけばAは声を出していた。
マッシュが退学しようが捕まろうがAには関係ないのに。
「…貴方の意見は聞いていません」
「規則規則、正論で人を殺して正義ぶるのは嘸楽しいだろう」
実際、彼女の心の中は半泣きであった。オーター・マドル怖くない?監督生達も神覚者も皆怖い。
「人を殺すのに正義も何もあるものか」
「今私達が守っているのは正義ではなく規則で「規則は、」
「規則は、人が安心して暮らせるように作られたものだ。それを盾に人を殺すのは本末転倒だね」
「何故そこまで彼に肩入れを?」
神覚者にしては珍しい女性であるソフィナ・ブリビアは表情を変えずに尋ねた。
「彼が僕の大切な人の友人だからだよ」
__
あなたは学問をする方だけあって、なかなかお上手ね。空っぽな理屈を使いこなす事が。
夏目漱石『こころ』
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はな(プロフ) - 透さん» ご指摘有難う御座います!私ずっとウェーだと思ってました…(にわか)。これからも引き続きお願いします! (3月31日 11時) (レス) id: 2ebd6ae62e (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 本好きさん» コメント有難うございます!結構こだわってるのでそう言って貰えてすごく嬉しいです! (3月31日 11時) (レス) id: 2ebd6ae62e (このIDを非表示/違反報告)
透 - 細かい所なんですけど、セル・ウォーのウォーがウェーになっています。楽しく読ませてもらっています!! (3月31日 8時) (レス) @page7 id: 23dba55806 (このIDを非表示/違反報告)
本好き(プロフ) - 毎回お話の最後にある文章がこだわりを感じて好きです。これからも楽しく読ませていただきます。 (3月30日 21時) (レス) @page7 id: 860fd688d9 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 華さん» コメント有難うございます‼︎そう言って頂き光栄です。これからもそう思って頂けるよう頑張ります! (3月30日 20時) (レス) @page7 id: 2ebd6ae62e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな | 作成日時:2024年3月28日 21時