いつも忘れる同級生【ランス・クラウン】

君の様な人になりたかった ページ12

それから暫くして

「不老不死か肺を綺麗にする薬か…」

また僕は研究室の住民に成り果てた。不老不死の薬は意外と誰からも強請られないのだよ。皆なりたくないのかな、僕この薬5本は作ってしまったのだけれど。よし、ならば肺の方を作ろう。

「えーっと、治癒薬治癒薬」


気配がして動きを止めた。来客か、最近は救護室で寝てたから溜まっているのかな。

「失礼します」
「おやレモン君」

これは少し驚いた、アドラ寮生というのもレモン君というのも。まさか彼女は薬を使うタイプの子だったのか。厭それは別に構わないけど。

「あのっ、明日皆で遊ぶんです‼︎」



？



「それは、よかったね…？」





「あっ、いや違っ、あの、皆がAさんで遊ぶんです‼︎」



？





僕誰かに遊ばれるの？あレモン君泣きそう

「取り敢えず落ち着きたまえ」

やばいティッシュない。キ◯ワイプしかない。これで顔拭いて大丈夫だったかな。でもこれで僕も鼻噛んだことあるし、でもそれを女の子にやるのは如何だろう。でもティッシュないし。



「明日一緒に皆と遊びましょ〜って言いたかったんです〜‼︎‼︎」
「はあ、」

何故？ランス君のことはこの前話したけれど、別に僕と彼等は友人ではないよね。人間関係の距離感のバグ？


「ランス君も来ます」




嗚呼、成程

「済まない、気を遣わせてしまったね。僕とランス君のことは気にしないでくれて構わない。残念だけど、今回は君達だけで遊「ちっ、違います！」


「私が！Aさんと遊びたくて、」


「…同学年の同性の子とあんまり話したこと、なかったから。…すみません、迷惑でしたよね」


モジモジと、いじらしくて愛らしくて。どうして彼の周りにはこんなにも守護力唆るような子が集まるかな。



「あー…時間を教えてくれるかい？」
「えっ？」
「遊ぶ時間だよ、時間。…僕も行く、から」

＿＿
「僕はこの頃今時分になると情けなくなるんだ。空が綺麗だろう。それにこっちの気持が弾まないと来ている」
梶井基次郎『檸檬』

お似合いですよと彼女は言った→←それだけがとても重い

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