墓場まで持って行こう ページ2
「…やあ来てくれたんだね」
「次からは正確な時間まで教えろ」
ああ、それはごめんね。
そう言って僕は持っていたフラスコに錠剤を入れた。
「自己紹介が未だだったね。僕の名前はA。A・リドゥだ」
「オレはランス・クラウン」
「ふふ、知っているよ」
数年前からね。
「そう言えば寮は何処だった？僕はオルカだ」
「…アドラ寮」
「へぇ、勇気と信念ねぇ…君にピッタリじゃあないか」
「おい」
手を止めて彼を見る。とても綺麗な目だね、真っさらなパレットにアクリル絵の具の青と水を混ぜたみたいだ。
「何の為にオレを呼んだ、まさかこんな雑談でもする為か？だったら1人でやるんだな」
「いいや？違うよ」
白衣につけていた懐中時計を見る。あと数分で6時になる。
「今日の借りを返す為にね、ほら一つあげる」
ポケットから取り出したそれを彼の手に乗せる。
「まさか、これは銀のコイン…⁉︎」
「今の僕の力では一枚で精一杯だからね、それだけさ」
窓を見ると今日は満月だったのか。丸い月がスポットライトのように彼の髪を照らしている。
「明日から毎日ここに来てくれないかい？退屈を紛らわすのに丁度いい」
「鼻につく言い方だな」
「さよなら」
杖を持つ。窓から飛び降りようと思ったけれど、魔法学園に入学したからには少し魔法を使ってみよう
「おい」
「なんだい？」
「感謝する」
これは借りを返しただけだよ。感謝なんてしなくていいのに。
「君は、いつも正しいね
…フォアメモリー」
そして私は煙に塗れて消えた。
＿＿
少しでもほめられた事は、一生わすれません。覚えていたほうが、たのしいもの。
太宰治『斜陽』
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はな(プロフ) - 透さん» ご指摘有難う御座います！私ずっとウェーだと思ってました…（にわか）。これからも引き続きお願いします！ (3月31日 11時) (
レス) id: 2ebd6ae62e (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 本好きさん» コメント有難うございます！結構こだわってるのでそう言って貰えてすごく嬉しいです！ (3月31日 11時) (レス) id: 2ebd6ae62e (このIDを非表示/違反報告)
透 - 細かい所なんですけど、セル・ウォーのウォーがウェーになっています。楽しく読ませてもらっています！！ (3月31日 8時) (レス) @page7 id: 23dba55806 (このIDを非表示/違反報告)
本好き(プロフ) - 毎回お話の最後にある文章がこだわりを感じて好きです。これからも楽しく読ませていただきます。 (3月30日 21時) (レス) @page7 id: 860fd688d9 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 華さん» コメント有難うございます‼︎そう言って頂き光栄です。これからもそう思って頂けるよう頑張ります！ (3月30日 20時) (レス) @page7 id: 2ebd6ae62e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はな | 作成日時：2024年3月28日 21時
