知る人 ページ26
東京都内某所にある
ビルの中に入っている橘さんの会社
受け付けで名前を言うと
すんなり通され、現れるのを待っていた
「すまないね、忙しいのに
わざわざ、御足労願って」
ドアが開き
言葉と共に現れた男性
『こちらこそ、時間割いて頂いて』
立ち上がりそう言うと
橘「まぁ、かけて」
そう、言われソファーへ促され座ると
俺の目の前に橘さんもソファーに座った
橘「今、いくつになったの？」
俺の事を知ってる？
母親にでも聞いてたのかと思いながら
『23になりました』
橘「ということは、5年前なのかな？
Aに勉強みてもらってたのは」
『そうですね、』
いつも呼んでるように
Aちゃんを呼び捨てにしたこの人は
何かを知ってる、そう思えた
だけど、5年という月日を
懐かしむような
どこか悲しい表情なのが
違和感を覚えた
橘「あぁ、ごめんね
1人で感傷に浸ってしまって」
『いえ、すみません
会って、間もないのに本題に入ってもいいものなのか』
橘「その為に来たんだろ？
答えられる範囲なら、答えるよ」
『Aちゃんとはどういう』
橘「叔父と姪の関係だよ
君が心配になるようなことは何もないw」
『いや、そう言う意味では』
橘「勘違いだったかな？笑」
大人の余裕
会話をしていて所々で感じた
橘「そんなことじゃないんだろう？
本当に聞きたいことは」
言われて、素直に言葉にした
『Aちゃんて記憶喪失とかになってるんですか？』
橘「ああ、そうだよ」
『いつからですか？』
橘「4年前……かな」
『その……記憶は4年前
どれだけのこと忘れてしまったんですか』
薄々は気づいていた
だけど、知ってる人から
俺以外のことも忘れてるって言葉がききたくて
橘「君のこと、君と関わった記憶だけすっぽり
なくなってしまったんだ」
事実は残酷だった
だけど
俺の知らなかった
Aちゃんの4年間の方が
もっと悲劇だった
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sugar(プロフ) - はじめまして。少し気になってしまって。「二頭を追うものは」のくだりですが本来は「二兎を追う者は一兎をも得ず」です。うさぎを表しているので、二兎を〜となります。訂正されたほうがよいかな、と思い失礼ながらコメントさせていただきました。 (1月29日 21時) (
レス) @page3 id: 6fcf1f20df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：gmatf | 作成日時：2023年4月2日 22時
