【wrwrd!】オレ、天使。【男主】 (ページ3)

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奇怪 : しんぺい神side ページ3

突然だが、うちの幹部は遊びに来るとき以外は滅多に医務室にこない

疲労で倒れそうになっている奴を強制保護することはよくあるが
どうやら身体が丈夫なようで、重大な怪我をしたり、病気にかかることはほとんどない

何を言いたいかって？
暇なのさ、毎日。
俺は幹部専属の軍医、よって一般兵は俺の医務室にはこないしさ

しかし、だからと言って医務室を離れるわけにもいかないでしょ？
急患が来たら困っちゃうからね

そんなわけで今日も今日とて手持ち無沙汰に薬瓶を眺めたり、居眠りしたり、隠してある酒をどう飲めば美味しく味わえるか考えていたんだけど

インカムによって知らされた来客はなんとトントンとグルッペン
強制保護対象(笑)の二人なのに、自分から来るなんて
これは珍しい急患、明日はきっと雹でも降るのだろう

にしてもインカムから聞こえたトントンの声はいつになく焦っていたように思える

その様子から推察するに、おそらく患者はトントンでもグルッペンでもないだろう
グルッペンが患者ならトントンは間違いなく焦りではなく怒りの念を抱くはずやからね

そんなことを考えながら医務室のベッドを整えていたところ

トン「神！！！大変や！！空からグルさん作成のキメラが落ちてきた」

グル「そんなの作ってないって言ってるだろ、空から降ってきたのは正しいけどな」

ぺ神「…えっなにこれ」

運んできたのは…巨大な羽の生えた人間？
何だこれ、こんなの見たことない

グル「文字通り空から落ちてきた、何種類もの言葉を話した後、意識を失った。人間には理解できない言語も話していたように思う、おそらく人間ではない」

ぺ神「うーーーんそれだと治療法もわからんね、どうしようか～…とりあえずベッドに寝かしておいて、視診できそうなところはやるから」

グル「頼んだゾ」

トン「本当に何者なんでしょうねえ、たまげたなぁ」

トントンのいう通りだ
視診して驚いた
医学的観点から言わせていただこう

今現在、彼には脈拍がない
反射はあるので生きていることはわかる
しかし脈拍がないということは血液の流れがない、ということである

二人に気づかれないように、試しに腕をナイフで長く切りつけてみる
生物なら血が流れ出すはず

そしまた驚く
切り傷から血は滲んだが、一向に流れ出す気配はなく、そのまま昇華して消えてしまった

これを地球上の生物と呼んでいいのだろうか

俺たちは今世紀最大に奇怪なものを目撃しているのかもしれない