突然の訪問者 ページ7
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自宅で狼煙のdvdを観ながらひとり飲みをしていると、ある人から電話がかかってきた。
『もしもーし、どしたん？』
「今家ですか？」
『おん、家おるけど』
電話の相手は風雅。
私の家の近くで終電を逃したらしく、泊まらせてくれとのこと。
今まで未成年のお泊まりはお断りしてたけど、成人にもなったし、ということで許可を出した。
『今どこおるん』
「___駅」
『あーうちの最寄りまで電車かタクシーで来れる?』
「いけるで」
『ん、ほな着いたら連絡して』
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" 着いた"と素朴なメッセージを見て、向かっていた脚を速める。
あ、おった。
『風雅！』
「あ、おった」と私と同じ反応。
暗い夜道を二人で歩き始める。
うちの周り、住宅街やからな。駅からちょっと歩いただけだ街灯しかないんよ。
「てっきり、車で来るんかと思った」
『アルコール入っててん、もうちょい早かったら車で来れたけど』
「全然ええよ。それなら、家まで行ったのに」
『生まれたての赤ちゃんをこんな夜道に一人で歩かせられへん』
襲われるでほんまに、と念押ししとく。
「産まれて18年やし、多分危ないのあんたの方やで」
そんな格好で、と言われ、改めて自分の今の服装を見てみる。
エイトさんのツアーTシャツに、高校時代のハーフパンツ、靴はクロックス。
「中学生やん」
『せめて、高校生にしてくれへん？』
まぁ確かに、中学生みたいな格好しとるけど。
楽が一番ねんな、結局。気持ちは永遠に華の17歳やし。
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『どーぞ』
「ただいま」
『おかえり』
風雅がうちにくるのは数回目だけど、一人できたのは初めてなはずやから、こっちが変に緊張してまう。
つい最近まで高校生やってた子を家に入れるなんて。犯罪にならへん？大丈夫？？
「ひとりで何言ってん」
『いや、犯罪ならへんかなって』
「今更やん」
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「ひとりで飲んでたん?」
『うん、狼煙のりとるおかずにして』
「ちょっと、やめてほしい」
消し忘れたテレビと、飲み残しの缶。
ちょっとくらい片付ければよかったかも。
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作者名：ぼんじり | 作成日時：2022年10月9日 17時
