第10話 ページ13
Noside
あっという間に時は経ち、12月の23日。
イブでもないのに、街はクリスマスムードに満ちていた。
楽しそうに歩く人が多い中、仏頂面でマフラーに鼻から下を埋めたAはフラフラと歩いていた。
呪いの坩堝と言われることもある新宿での任務はとても面倒な物だった。
簡単に言えば、未完成の領域に巻き込まれてしまったのだ。
領域の内と外で時間の差があり、30分で終わらせたつもりが領域外では2日間も経っていた。
『何が二級や、特級に近いやんかあの呪霊。あのジジイ共め…2日も経っとったのに誰も寄越さへんとか、絶対知っとったやろ』
ぶつくさと文句を言いつつ時計を確認すれば、もう直ぐで23日が終わる時間。
『補導されたくないし…路地裏入って鵺呼ぶか。』
警察官が数人歩いているのを見た彼は、小走りで路地裏に入った。
補導される時間が勿体無い。恵はもう産まれているし、早く会いたいのだ。
鵺を呼び出して飛び乗り、刀を影に落とし入れてから時計を確認する。
23日は終わり、24日になった瞬間だった。
『クソ、時計確認するんやなかった。次に寝たときにあの夢見ることになるんやろうなぁ…』
大嫌いな日を迎えたと思うと、舌打ちをしてしまう。
どれだけ祝われても、誰に祝われても、好きになることの出来なかった日。
"あの夢"…1週目の2017年から、2週目になってもずっと見続けている夢。
忘れる事の出来ない悪夢とでも言っておこうか。
『気分悪いわ、早う帰ろ…悪いなぁ鵺、もう少し飛ばせる？』
彼は鵺に言う。命令ではなく、お願いという形で。
その願いを受け入れたように、鵺がスピードを上げた。
〜約20分後〜
家に到着したAは、鵺を一度撫でてから術式を解除した。
『ただいま…』
彼女はまだ病院にいる筈だが、甚爾は寝ているだろうと静かに玄関を開けた瞬間驚いた。
甚爾「ん…Aか？」
『甚爾君？なんで玄関で寝てるんや、風邪引くで』
甚爾が玄関に座って寝ていたのである。
酒に酔っているのなら有り得るかも知れないが、甚爾は酒が苦手だが酔わない。
甚爾「…お前を待ってたんだよ。直ぐ終わる任務だって言ってたのに、2日も帰って来ねぇから死んだのかと。」
Aの動きが一瞬止まった。
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ばたしょ(プロフ) - 私事で申し訳無いのですが、ひっさびさ占ツクに戻ってきたら2年前もめちゃくちゃ好きってコメしてました！やっぱりお話しの書き方、キャラ同士の会話などが最高過ぎます^_^素敵なお話をありがとうございます！ (1月14日 23時) (
レス) @page36 id: 14c266a85b (このIDを非表示/違反報告)
ばたしょ(プロフ) - めっちゃ好きです！更新頑張ってください！勝手ながら応援させて頂きます！！ (2022年3月26日 22時) (レス) @page37 id: 299e49a5ff (このIDを非表示/違反報告)
水泳進化人(プロフ) - やっぱキャラ同士の会話が好きです。ツンデレ…！！！ (2022年2月26日 15時) (レス) @page37 id: 30ca69ad2f (このIDを非表示/違反報告)
作者です - 真柴白さん» 読んでいただきありがとうございます…！！今までの話の修正もしつつ、更新頑張りますね！ (2022年2月23日 21時) (レス) @page37 id: d7b45fdc8c (このIDを非表示/違反報告)
真柴白 - 最初は、『ン？』と思ったのですが…。読み進めて行く内に、面白っと思いました。 更新お待ちして下ります。 (2022年2月14日 0時) (レス) @page36 id: 16a3b8d68e (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2021年4月11日 23時
