無口な少女は恋をする【原神】【魈】

番外編　参 ページ24

貴「私、暇だから一緒に探すね」

テ「えっ、良いの？ありがとう！！」

貴「…とりあえず、屋台を回って探そうか
　 えっと、テウセルくんのお兄さんの
　 特徴って？」

テ「えと…オレンジ色の髪で、目が青いの！
　 背が高くて、赤いお面を髪につけてるよ」

貴「なるほど…」

テ「お兄ちゃんはね、すっごくかっこ
　 いいんだよ！
　 璃月でおもちゃを売ってるんだ！」

おもちゃ屋…。

少し選択肢が狭くなった。

とりあえずおもちゃ屋に行ってみるか…？

従業員の人に預ければお兄さんのもとへ必ず
帰ることができるし…。

貴「…お兄さんが働いているおもちゃ屋の
　 名前ってわかるかな…？」

テ「うーん…わからない…」

貴「そっか…」

周りを見渡しても先ほど教えてもらった特徴に
ぴったり当てはまる人はいない。

貴「…うーん…」

とりあえず周りの人に聞いてみようかな、と思いテウセルくんに聞こうとした瞬間テウセルくんが私の手を握り
走り出した。

貴「えっ…？！」

テウセルくんの目線の先には先ほど言っていた特徴にぴったり当てはまる人。

良かった、見つかった…。

テ「お兄ちゃん！良かった、離れちゃって
　 ごめんなさい…！」

？「俺の方こそ離れてごめんね
　 …怪我してるじゃないか？！
　 大丈夫かい？！」

テ「大丈夫！お姉さんが助けて
　 くれたんだよ！」

？「お姉さんにお礼は言った？」

テ「うん！言ったよ！」

？「良い子だね、テウセル
　 …助けてくれてありがとう、君は？」

貴「…Aです」

？「俺はタルタリヤ、おもちゃ屋を経営している一般人だ
　 お礼として何か奢ろうか」

貴「大丈夫です、申し訳ないので…
　 …テウセルくん、またね」

テ「えー、お姉さんもっと一緒にいようよー」

貴「…えっと……」

ちら、とタルタリヤさんに視線を送る。

タ「人数が多い方が楽しいじゃないか
　 よろしく、A」

貴「…ありがとうございます、
　 タルタリヤさん」

テ「やったー！」

ぴょんぴょんと飛び跳ねてはしゃぐ
テウセルくん。

タ「…A、神の目を持っているんだね
　 今度一戦やらないか？」

貴「…やめておきます
　 怪我をさせたくないですし」

タ「随分と自信があるようだね？
　 ますます戦いたくなったよ」

貴「…」

テ「お姉さん、どうしたの？」

テウセルくんが首を傾げる。

貴「ううん、なんでもない…」

変わり者なお兄さんなんだなぁ…。

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