無口な少女は恋をする【原神】【魈】

拾伍話 ページ20

あれは、魔神戦争のときのこと…。


貴「岩王帝君の…ために…っ！」

彼女の美しい白い髪が血で染まり、服はところどころやぶけ肌が露出している。

それでも彼女はただ一人岩王帝君のために闘い続けていた。

伐「A！！Aは岩王帝君の護衛に
　 ついてください！ここは私たちに
　 任せて！」

貴「っ…伐難たちを置いていけない…！」

応「これは…Aにしか…っ…
　 頼めないことだ…！」

でも…でも。

皆んなを置いていけない。

私が行ってしまったら、もう二度と会えない気がする。

貴「嫌だ嫌だ嫌だ！私は…私は…っ！」

伐「大丈夫、ですから…！
　 岩王帝君のために、行って…！」

応「早く！」

ドン、と強く押される。

応「私たちはそんな柔じゃない！」

伐「行かないと、岩王帝君も…！」

貴「っ…」

応達と伐難が微笑んだ。

ここが戦場だと思えないくらい。

彼女たちは分かってる。

もう、生きて戻れないと。

貴「ぅ…ぁぁあああ！！」

私は泣き叫びながら岩王帝君のもとへ向かった。

私は、彼女たちが大好きだった。

ずっと一緒でいたかった。

弥怒も、浮舎も。

そして、私が恋焦がれている…金鵬も。

護法夜叉の皆んなは護法夜叉じゃない私を受け入れてくれた。

そんな優しい皆んなが本当に、本当に大好きだった。

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