第60話 ページ10
(伊)
『伊野尾さん。』
切なそうな表情を浮かべるヒロインの女優さん。今までをなかったことにするように、別人のような声色で話しかけられた。
『これ、見てみてください。』
彼女の手にあったのは、1冊の漫画。
伊「『叶わない恋にありがとう』……?」
『この映画の原作です。』
「え、この映画、オリジナル脚本のはずじゃ……。」
オリジナル脚本のはずなのに、誰も書いた人を知らないなんて謎の状況が覆される。ここにきて原作があったという急展開。
『私もオファーが来たときにはそう説明されました。でもストーリーがこの漫画と全く同じなんです。監督に尋ねたら、ものすごく複雑な表情で、それが原作だっておっしゃってました。』
監督は、なぜ原作があることを隠していたんだろう。演じる方からすれば、原作は役作りのための大切な材料でもあるのに。
伊「でも、これをどうして俺に?」
『とにかくこれを読んでほしいんです。撮影の隙間時間でも、ご自宅に帰られてからでもいいんで。』
まっすぐな瞳に、もうこの人に黒い思惑はないんだなって思えた。
伊「ありがとうございます。読んでみますね。」
遠くから撮影開始を呼び掛けるスタッフさんの声がした。
『よろしくお願いします。』
伊「こちらこそ。」
撮影最終日になって流れる、撮影初日のような新鮮な空気。
この人とは近づきすぎたくなかった。
もうイメージは変えられないよ。
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ポッキー(プロフ) - 伊野尾様Love.@七星さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!!!私の想像以上に楽しんでいただけたようでw ホントに感謝です……!!ありがとうございました!! (2020年1月6日 23時) (レス) id: eb2c980ab8 (このIDを非表示/違反報告)
伊野尾様Love.@七星 - すっっごくいい作品でしたぁぁああ…泣 涙腺がぶっ壊れたw二人のすれ違いに「あぁっ、違うの!うわぁあぁあ」てなってましたw実は百合花がいじめの主だったりして?とか考えてたけど全然いい人だった…ごめんなさいw次回作ぜひ見たいです!ありがとうございました! (2020年1月6日 22時) (レス) id: e41447f8a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ポッキー | 作成日時:2019年10月15日 21時