第5話 ページ6
(薮)
知念から聞いた住所が書いてあるメモを持って、見ず知らずの道を歩く。
高層ビルなど、現代的なものは何もないこの町。都会に流れる生き急がせるような時間は、言わずもがな山田には合わない。
この町のゆったりとした時間を感じて、山田がここにいる理由が分かった気がした。
「フラワーショップ ヤマダ」
相変わらずだな。
薮「山田」
山「あ、久しぶり」
熱のこもっていない「久しぶり」に、入店早々肩透かしを食らったような気分になった。
感動の再会ってやつを期待したんだけど。
薮「こんなところにいたのかー。花屋なんて山田らしい」
店内を見回す。寂れた花屋、ともいわないが、大繁盛しているわけでもなさそう。
店主の山田はといえば、世間の流行なんて興味ないと言わんばかりのラフな服装と髪型。
知念とはよく会っていたようだけど、この様子じゃ、知念以外の人間と交流していたかすら怪しい。
こいつ、顔はめちゃくちゃ整ってんのにな。
山「知念から聞いたの？」
薮「うん、久しぶりに会いたくなって」
山「で、花見に来たの？」
薮「まあ、それもそうだけど山田に誘い」
電車に揺られること2時間。そんな時間をかけてまで世間話をしに来たわけじゃない。
本題を切り出す。
薮「9人で集まらないか？あの場所で」
山「え……」
薮「何もしないでいるの……辛くないか」
山「……そういうこと」
あの時俺たちは非力な子どもだった。
でも今なら本気で事件を追いかけることができる。
15年費やしても解決できない難事件。警察が諦めかけているのを黙ってみていられるはずもなかった。
山田も一瞬渋い顔をしたが、覚悟を決めたように首を縦に振ってくれた。
薮「大丈夫？」
山「うん」
薮「じゃあ1週間後」
山「おっけー」
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Pocky(プロフ) - 槿さん» 槿さんありがとうございます！是非最後までお付き合いくださいm(__)m (2018年2月9日 7時) (
レス) id: eb2c980ab8 (このIDを非表示/違反報告)
槿(プロフ) - 面白くて続きが気になります!更新頑張ってください! (2018年2月9日 0時) (レス) id: dcd6098eeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポッキー | 作成日時：2017年12月19日 18時
