第9話 ページ10
伊「もうっ………！」
手が強引に掴まれ、後ろによろめいた。
手を引かれるままに廊下を全速力で走る。
屋上に繋がる簡素なドアを開けた。
伊「ハア……ハア…………ねえ、どういうこと……？」
「……分かんない……あんなの初めてされた…………。」
伊「あれ、完全にいじめだよね。あの、黒板に書かれてたのどういう意味？」
伊野尾さんになら言ってもいいかな。
「…………私のお母さんって一年前に殺されてるんだ。たまたま私とお父さんが出掛けているときに家に強盗が入って。居合わせたお母さんはキッチンの包丁で刺されたって警察の人が言ってた。」
リビングに広がっていた赤い血は鮮明に脳に焼き付いている。
一年経った今も犯人は捕まっていない。
当時その話は学校中に広まっていった。去年は学校に行くのは死ぬのより辛いと本気で思っていた。
でも去年のクラスは理解のある人たちばかりでクラスでは辛い思いをせずに過ごすことができた。
その状況が続くかといったらそうではなく、クラス替えによってメンバーはシャッフル。
そのクラスにいたのは、いわゆるスクールカーストの最上級に君臨する女王のようなグループだった。
新しいクラスになったばかりの時にいじめが起きることはなかったから、もう皆忘れてくれたのかな、なんて思ってたけど大分甘い考えだった。
皆私を悲運な人だと思ってる。
そんな人を自分達の手でもっと不幸のどん底に叩き落とすことができる。
私はあのグループのいい遊び道具だ。
伊「俺、転校してきたばっかりだからそんなの知らなかった。」
こんなに重い話を落ち着いて聞いてくれた彼。
伊「クラスで辛いことあるかもしんないけど、俺が和らげてあげるから。」
ついに始まってしまった暗い生活も、私には心が落ち着ける場所があると考えたら、気が楽になった。
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Pocky(プロフ) - はろぅきてぃーさん、そう言って頂けてとても嬉しいです！ありがとうございます！ (2017年7月2日 21時) (
レス) id: eb2c980ab8 (このIDを非表示/違反報告)
はろぅきてぃー - 感動しました！これからも楽しみにしています(*^^*) (2017年7月2日 18時) (レス) id: defa2607a7 (このIDを非表示/違反報告)
Pocky(プロフ) - あっぷるやまいちごさん、ありがとうございます！そう言って頂けると本当に励みになります。あっぷるやまいちごさんもコメント沢山して頂きありがとうございました！ (2017年6月27日 18時) (レス) id: eb2c980ab8 (このIDを非表示/違反報告)
あっぷるやまいちご。(プロフ) - 完結、おめでとうございます！お疲れ様でした！次のお話も楽しみにしてます！ (2017年6月26日 21時) (レス) id: fc6a2498d2 (このIDを非表示/違反報告)
あっぷるやまいちご。(プロフ) - もちろんです！まちます！頑張ってください！ (2017年6月25日 7時) (レス) id: fc6a2498d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポッキー | 作成日時：2017年5月30日 19時
