レイターズのひみつへいき＊

episode47＊ ページ48

桜も舞っている昼下がり。





私たちは、今日高校を卒業した。






茶色のクロコダイルのような筒を遊ぶように振り回しているかめむしに、まーちん。






『なんか、春って感じやなぁ』






かめむし「そういうAの頭に桜乗ってるしな」





まーちん「かわいいわ〜♡」






『いや、取ってや...』






本当に辛くて苦しい事もたくさんあった高校生活だったけど、本当に楽しかった。






桜並木を歩く私たちは、他の人から見たら
青春を謳歌した高校生に見えるのだろうか。








でも、これが私の青春だった。






みんなでたくさんの思い出を作った。


毎日寝る時間を削って動画を作った。






心無い言葉にすごく傷ついて、


でも優しい言葉がすごく嬉しくて、






メンバーとのすれ違いが悲しくて、


好きな人を諦めるのが悔しくて、





でも、その笑顔があれば、
私はどんな時でも頑張れた。







かめむし「A？」





『ん！？』





まーちん「ぼーっとして、どうしたの？」






『あぁ！考え事してた！』





かめむし「ふーん...
まあ、サイバとはやしんのとこ行こ！」






まぁ...これはもう、青春を謳歌している高校生以外の何者でもないな。







だって、私はこんなにも幸せだから。





＊＊




はやしんと、サイバと合流した。






高校生みたいにプリクラを撮ったり動画を撮ったりして過ごした。






『もう8時やな、はやいわ...』





はやしん「もうそんなに時間経ってた？」





サイバ「楽しいからあっという間やな」






かめむし「なら...Aそろそろ帰ろ？」






こっちを見て微笑むなや天使が...






かめむしに送ってもらうため、私たちは先に帰ることにした。





さりげなく繋がれた手がとても冷たかった。









『ん... じゃあみんな、バイバイ』







＊＊





外に出ると、ひんやりとした空気が頬を撫でた。





かめむし『さむい！』





『かめむしは寒がりやったな』






かめむし「Aの手はあったかい」





『何繋いでんの。笑』





計算なのか天然なのか...





おそらく後者だけど、心臓に悪いからてやめて欲しい限りである。






かめむし「もうレイターズも、あんまり会うことなくなるのかな〜」






『せやなぁ』









かめむし「あのさ！A...その、付き合って」





『またそうやって...「これ本気」







なんなの...






かっこいいんだけど...

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