韓国で紅一点になるまで。

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「今日は何だろ。」





携帯を取り、日本人の私にはあまり馴染みのない黄色のアプリを開く。


大量の通知音は韓国に住むとある人からのメッセージ。


…と、沢山の自撮り写真。





ジンさんアンニョンA。今日はどよび!僕は今起きたよ。Aはおきてるかな〜。これからお仕事だからAからのファイティンが効きたいなと思て。あ、寝起きでもかっこいい僕の顔をみせたげるね。


ジンさん〈自撮り写真〉


ジンさん〈自撮り写真〉


ジンさん〈自撮り写真〉





「今日も朝から元気そう。…えっと、アンニョンってどんな意味だっけ。」





本当に寝起きなんだろうなと分かる寝癖の付いたままの髪型に少しぽわぽわした表情。格好良くポーズを決めてるけど、髪型と表情のせいか可愛く感じてしまう。


数枚送られてきた写真は、少しずつ角度が違うも私にほとんど同じように見えた。


手早くアンニョンの意味を調べ、今か今かと返信を待ちわびているであろう相手に返信を返す。





Aアンニョンジンさん。私は今ご飯食べてます。お仕事ファイティン。おうえんしてます。あ、あと、どよびじゃなくてどようび。効きたいじゃなくて聞きたいがせいかいです。




文章だけでは味気ないかもしれないと思い、ご飯の写真でも送ろうかと写真を撮る。





「一口かじってるけど…まぁいいか。」





きっと気にしないだろう。ご飯や景色の写真を送ると、なんで自撮りじゃないんだとよく言ってくるから。


返信を待つ間、メッセージをもう一度読む。


たどだどしい日本語。変換間違い。


日本語、頑張って覚えてくれてるんだよなぁ。


自分より何歳も年上の人に可愛いと言う感情を抱くのはこの人ぐらいかもしれない。と最近思うようになった。


私も韓国語を覚えた方が良いかと思いつつ、つい相手に甘えてしまっている。


返信をして一分も経たずに既読が付く。


あ、早い。


そう思った次の瞬間には、電話のコール音。






プルルルルルルルル






うわっ、と思わず声が出る。


行動の素早さにびっくりしながら電話に出ると、メッセージと同じ言葉が聞こえてきた。





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