不老長寿の人魚【地縛少年花子くん】 (ページ3)

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寧々ちゃんside

花子さんは言いました。
ちょうど人間の助手が欲しかったと。

「花子さん、花子さん…きょうはもう帰らせてください！！！」

「ダメー！」

手でバッテンを作ってニコニコの笑顔で拒否される。

花子さんと縁を結んでから１週間。
私は放課後に毎日トイレ掃除をさせられていました。

「もう！トイレ掃除なんて嫌！！」

「そんなに嫌？」

「トイレ掃除好きな女の子なんていないわよ」

はぁとため息をついた時、そういえばと今日あった里見ちゃんの話をした。

「花子さん、“不老長寿の人魚”って知ってる？」

「不老長寿の人魚？」

「うん、なんかクラスの子のお母さんが入院していたんだけど、人魚様にお願いしたら、次の日には元気になってたんだって！」

「へぇ～？」

「私の人魚とはえらい違いよね…。花子さんは知ってるの？？」

「いいや。でも昔よりだいぶ違う噂だね」

「昔？」

「そう、昔は恋愛成就の噂だったんだ。多分、人魚は1種族だから年月が経って、主が交代でもして変わっていったんだろうね。まぁ、鱗が縁で結ばれるっていうのは変わってないみたいだけど」

「うっ…」

人魚の辛さはわかっているため、どうも恋愛成就という言葉にしがみつけずにいる。お風呂は大変だし、少し濡れるだけで鱗がでてきちゃう。

「不老長寿の人魚ねぇ…」

そう呟いた後、「きょうはもういいよ」と掃除の終了が言い渡された。

ラッキー！！
早く藤くんのところにいって書類整理しなくちゃ！

…まぁ、私も本当にうまくいくなんて思ってないけど。