弐 ページ2
どうしよう……。
寧々ちゃんに杖代が憑いてる…！！！
え、なんでなんで？！
もしかして…私を監視してる！？
最近は噂も薄いし、悪いことなんて…
と思ったが、思い当たってしまった…。
主のせいだ…！！！
昨日、報告してきたのがいた気がする…！
関係ないと思って聞き流してたけど。
＿＿昨日
「御姫様、報告が…」
「ねぇ！何度も何度も！何千回言ったら覚えるの！私は御姫様じゃない！！」
「ですが…主様が…」
「主？主がどうしたの？」
いつもはどうでもいい話しかしないのに、深刻な表情を浮かべていた。
「主様がやられたのです…七不思議に」
「え！？なんで！！！」
「なんでも眷属になった人間がいたそうで」
「無理やり行ったのね。自業自得」
その後もネチネチ言っていたけど、あまり聞いてなかった。
でも…絶対それじゃん…。
主と私の噂は違っていて、昔…つまり私が呪いにかかったときはもっと悪い噂だったけど、今は薄くなっている。
でも…祓われでもしたら私の願いは叶わないまま、ただこのままずっとこの世界にいなくちゃいけなくなる。
カミサマが私に言ったの。
「願いが叶うとき、全てが解放される」って。
私はなにがなんでも願いを叶えなくちゃいけない。
そのためには、やっぱり噂を強くしないと…。
久しぶりにオシゴトしますか。
＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿
＿＿＿
「人魚様、お願いです…。母を助けて」
「こんばんは、名前は？」
「えっ！？に、人魚様…！？」
「呼んだでしょう？」
「は、はい！！お願いです、人魚様！母が病に侵されています。どうか不老とまでは言いません！元気になってほしいんです」
不老長寿じゃなく、元気に…。
「じゃあ、お願い聞いてくれる？」
「はい！！」
ああ、かわいそう。
私のお願いなんて、叶うはずないのに。
「お願いは＿＿＿＿」
「え……」
＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿
＿＿＿
「本当に！？よかったねー！」
翌日、教室は賑やかだった。
「なになに？どうしたのー？」
「あ、千亜ちゃん！なんかね、入院してた里見ちゃんのお母さんが元気になったんだってー！」
「へぇ…？」
「すごいよね！なんでもね、人魚様にお願いしたんだって！」
「人魚様？」
「そうなの！噂は本当なのよ！“不老長寿の人魚様”！」
薄い噂が少しずつ色づく。
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作者名：千亜
| 作成日時：2020年2月10日 5時
