bright side【ST】 (ページ8)

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慎太郎side

慎「おじゃましまーす」

久々にひろと遊ぶ約束をしてたのに、今日は出かける気分にならないとひろから連絡が入って、

俺がひろの家に向かうことになった。

「いらっしゃーい。手、洗ってね」

とひろが寝室に入っていくのを見送って、俺はそのままキッチンに向かった。

キッチンではパスタを茹でた鍋と、水気を切ったパスタ。

パスタのルーの入ったフライパンと……

出しっぱなしの、水。

「タオルケット、ソファに置いておくよ？

しんたろー？」

キッチンから見えるソファに俺が泊まる時いつも使わせてもらってるタオルケットを置いたひろが

返事をしない俺に近づく。

慎「あ、ごめん、ありがとう。

ひろ、水出しっぱだったよ？」

たまたまかも、と少しざわつく胸を無理やり沈めて笑顔で言うと、

「最近よくとめ忘れるんだよね」

とまさかの言葉。

慎「ひろそれ大丈夫なの？鍵とかかけ忘れたりしてない？」

「うーん、してないー？かなぁ。わからん」

慎「おかしいでしょ？ひろ、忙しすぎるんじゃない？」

「うーん、そうかぁ……？」

少し前にしたドラマで得た知識だから、なんとも言えないけど。

これ、認知症……とか、そういう奴じゃないよね？

大丈夫、だよね？

ざわざわと胸の中が苦しくなる。

俺今ちゃんと笑えてるかな？

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