bright side【ST】 (ページ34)

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京本side

ひろを探しに出た3人を家の中で待つ。

もしひろが帰ってきたら連絡できるようにって。

頭の中を巡るのは今日までのひろの様子。

ちゃんと寄り添えていただろうか。

京「…」

仕事にかまけて家を空けることが多かったこの1ヶ月。

大飛と向き合う時間がかなり少なかったように思う。

その間、高地、北斗、ジェシー、慎太郎に大飛のことを任せっきりにしてしまっていた。

任せきりにしていた、という言葉もおかしなもので、

大飛はもう大人で自分で出来ることは自分でしているんだから。任せきりという言葉はおかしいもんね。

今はとにかく、ひろが元気に家に帰ってくることを願おう。

京「……あ」

そういえば前にお気に入りの場所を教えてくれていた気がする。

確か…

京「いやでもかなり遠いな……」

でもこの情報は共有すべきかも、と携帯を手にして俺はジェシーに電話をかけた。

ジェ「…っはい！」

京「ジェシー今どこにいる？」

ジェ「…、え？えっと新宿公園のあたり！」

京「前にね、ひろがお気に入りなのって言ってた場所があって、埼玉なんだけど。ジェシーわかる？」

確信があったわけじゃないけど、なんだかそんな気がした。

大飛の出身地である埼玉県。

彼の地元から少し離れたところにある小さな広場。

ずっと大好きな場所だったって言っていた気がする。

ジェ「……うん、知ってる。わかるよ。

歩いて、ひろなら……うん、だいたいの道もわかる！行ってみるね」

ジェシーとの電話はプツリと切れた。

これでいいのかな、いいんだよね？

胸騒ぎが大きくなった気がした。

…