bright side【ST】 (ページ19)

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…

とりあえず、歌詞割の分は消してといて、

出来上がったものを持ってリビングに出る。

「あれ？もう帰ってきてたの？」

リビングには北斗がいて、のんびり本を読んでいた。

北「あー、うん。防音室にいたのね。」

「うん」

少しの会話を終えて直ぐに北斗はまたほんと向き直った。

お昼ご飯食べ忘れちゃったなぁ。

薬飲んでないし、皆怒るだろうな。

ささっとキッチンに逃げてパンをひとつ摘んで薬の置いてあるリビングに戻る。

高「あ、ひろ。薬飲んでないじゃん？」

お昼の分、残ってるよ？

って。

今から飲もうとしてたもん。

「わすれてない。今から飲もうとしてた」

高「ちゃんとお昼に飲まないといけないんだよ？わかってる？」

「わかってる。うるさい」

高「そんな言い方すんなよ。ちゃんと飲んで」

「飲むって言ってんじゃん！！」

コーチの手から薬を取って、キッチンに戻って飲む。

言われなくたってちゃんと覚えてるし、わかってる。

「……なんで、こんなに怒ってんだろ。ぼく。

変なの。僕が僕じゃないみたいだ。」

数年前に出したシングルの曲名を呟いてみる。

ほんとに。今コーチに対して怒りをぶつけていたのは一体誰だったんだろう。

「というか、何に対して怒ったんだろ。」

少しだけ、コーチに申し訳なくなった。

ごめんこーち。と心の中で謝りながら自室に戻った。

…