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ジリリリリリr(( バシッ
けたたましく鳴る目覚まし時計を止めて、上半身をなんとか起こして大きく伸びをした。
今日は午前中は夏組オーディション、午後は家庭教師のバイトが入ってる。
土曜日だから至は会社休みのようで、向かい側のベッドからはすうすうと規則正しい寝息が聞こえてくる。
『…』
嫌でも昨日の事を思い出す。
なんで俺？
至みたいなイケメンなら女の子だって選び放題じゃない？
出会ってすぐなのにいきなりキスされて
一目惚れしたとか俺は別とか言われたらどうしても意識しちゃうだろ…
取り敢えず他のみんなの前では普通に振る舞わなきゃ。バレたら俺は死ぬ。社会的に。
自分の顔を一回叩いて喝を入れ、身支度を始める。
一通りの支度が終わったので廊下に出てみると、キッチンの方からいい匂いが漂ってきた。
よし行こう。
いづみ「あ、雫くんおはよう！」
『おはよ！いい匂いしたから来ちゃった』
綴「もうすぐ目玉焼きできるんで、ちょっと待っててくださいね」
今この場にいるのは俺、いづみ、綴、咲夜くん、シトロンくんの五人。
至はさっき寝てたし、真澄くんもまだ寝てるのかな？
…あ、真澄くんきた！おはよ〜
いづみ「雫くん、悪いんだけど至さん起こしに行ってくれない？」
やっぱりそうなるか〜！！
またなんかされそうで心底嫌なんだけどな〜！！
でも普通に振る舞わなきゃ…普通、普通…。
いづみにわかったと返事をして、部屋のドアをバンッと音を立てて勢いよく開ける。
…起きない。
『至ー！朝だよー！！』
…起きない。
仕方なく至の身体を揺すりながらもう一度声をかけると、
腕を引かれて抱き締められた。ほらみろやっぱりな！！
引き剥がそうとしても、頭を抱えられてる感じだからなかなか出られない。
至「ふぁ〜……ん？
おはよう雫。なんで俺のベッドにいるの？俺のこと好きになってくれた？」
『んな訳ないだろ！
お前を起こしに来たらお前が腕引っ張ったんだよ離せ馬鹿！！』
至「…じゃあ俺はもう一眠りするからよろ」
『はぁ！？』
至「……」
寝てる。最悪だ。
至の腕の中から出れないし、助け呼んだら変な誤解されそうだし
最近シフトぎゅうぎゅうだったせいで疲れてたのか、なんか俺も眠くなってきたし…
……
…
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