07. ページ10
MANKAI劇場は少し古いけれど小ぢんまりとしていて落ち着く雰囲気で、純粋に良い劇場だなと思った。
劇場には俺、いづみ、支配人、それから春組が勢揃いでオーディション参加者を待っている。
？？？？「こんちはー」
？？「どーも」
いづみ「二人とも来てくれたんだ！」
金髪の子は春組公演のときフライヤーやサイトのデザインをしていた三好 一成くん。
緑の髪の子は衣装を作ってくれた瑠璃川 幸くんというらしい。
一成くんは綴と知り合いらしく、親しげに話している。チャラいなぁ…
幸くん本当に男の子…？普通に見たら可愛らしい女の子だよね？幸ちゃんって呼ぼう…
なんて考えていると、幸ちゃんが俺の前に歩いてきた。
そして俺を半分睨むように凝視した後に口を開いた。
近い。こわい。
何を思ってか にっこにこしながらこっち見てる至もこわい。
幸「名前は」
『つつ、露木 雫です！監督補佐です！』
幸「…雫、ロリータファッションとか興味ない？」
『…へっ？俺は(( ？？「あの！！」
俺の声を遮るようにこちらに声をかけたのは、桃色の髪で幸ちゃんと同い年くらいの気弱そうな少年だった。
ありがとう少年！
質問の答えに困ってた俺にとっては救世主だよ…
真澄「……何？」
幸「……あれ？」
いづみ「気づかなくてごめんね。何か用かな？」
？？「あ、あの、オーディション会場ってここですか？」
話を聞いていてわかったことは、少年は向坂 椋くんといって幸ちゃんの同級生であることと、夏組オーディションを受けにきたということ。
話ぶりを聞いていても、さばさばした幸ちゃんとは反対におとなしい感じの子なのかな？
そしてネガティブ…！
しばらくしていづみが「そろそろ始めようか」と言ったその時、劇場の扉が勢いよく開かれて一人の青年が入ってきた。
？？？「＿＿ここがオーディション会場か
相変わらずボロい劇場だな…」
ん？
あれってまさか
いづみ「お名前は？」
天馬「…皇 天馬」
いづみ「！？」
やっぱり俳優の 皇 天馬だ〜！！
すごい…有名人生で見るの初めて…！
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