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02. ページ4

この角を曲がって…右にまっすぐ行くとコンビニが…



『…ない』



いづみと再会して数日後、必要最低限の荷物を持ってMANKAI寮に向かっている。

向かってるんだけど、俺は極度の…



『え?あれ…??』



方向音痴である。


もう日が落ちかかってる。
バイト先からあんまり離れてないはずなのになぁ。

歩いてるうちに知らないところまで来てしまった。
近くの家の住所を見ると、ここは天鵞絨町だということだけがわかる。

スマホのマップで道を確認しようと思ったが、いくら電源を入れようとしても暗いままの画面に、俺は絶望するしかなかった。


きっと周りの人に道を聞いても、付いて来てもらわないとどうせまた迷うんだよ…わかってる。わかってるよ!



???「あの、どうかしたんすか?」



道端で突っ立っている俺を見て心配してくれたのか、大学生くらいの男の子が声をかけてくれた。

俺、側から見たら変な人だっただろうな…
恥ずかしいわ…



『ちょっと道に迷ってしまって』


???「あー…一体どこへ?」


『MANKAI寮っていうとこなんですけど…』


???「あ!ちょうど俺もそこに行くんで、一緒に行きましょうか」


『え!?ほんとですか!ありがとうございます!!』



めっちゃ大声で喜んでしまった…

え、俺めっちゃラッキーじゃない??


MANKAI寮に向かうってことは、団員さんなのかな?



『あの、お兄さんはMANKAIカンパニーの団員さんなんですか?』


???「そうっす」


『やっぱり!
俺は今日から監督補佐としてMANKAIカンパニーでお世話になります、露木 雫です』


綴「よろしくお願いします!俺、皆木 綴です。一応脚本書かせてもらってます。

話は監督から聞いてますよ!美青年が来るから楽しみにしてて、って。
ほんとに美青年でびっくりしました」


『び、美青年…?俺もう青年って歳でもないんだけど…いづみ…』


綴「え?学生じゃないんすか?」


『立派な大人ですー!いづみと同い年ですー!』



俺が駄々をこねるようにそう言うと、綴くんは「あ、タメ口で全然オッケーなんで!あとなんか困ったらなんでも言ってくださいね」と付け足すように言った。

なんだかお兄ちゃんみたいな子だな…。


そんな話をしているうちに俺たちはMANKAI寮の前にやってきた。寮でかい。

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作者名:熊葛 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年3月30日 20時

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