三条と粟田口、計18振の兄ですが何か？其の弐【刀剣乱舞・男主】

肆拾九振目 ページ5

Aの本丸の一期side


生温い湿った風が吹き抜ける。
今にも雨が降り出しそうだ。

私、後藤、蛍丸殿、童子切殿の四振りはブラック本丸の門の前で待機していた。

後藤「なんかちょっとわくわくするな！」

一期「こら後藤。私達が失敗すればたくさんの方に迷惑がかかるんだよ」

後藤「はーい。
でも、いち兄もあんまりガチガチに緊張しない方がいいぜ？」

うっ…緊張が表に出ていたとは…

童子切「一期はブラック本丸の一期になりきらなきゃいけないし、
俺も”主”になりきらなきゃいけないし……」

そう。今回の作戦は、私が
”ブラック本丸の一期一振”としてブラック本丸に潜入。

そして童子切殿は
”演練相手の本丸の主”としてどうにか理由をつけてブラック本丸に潜入。

蛍丸殿がその近侍ということで一緒に行くことで審神者の気を引き
後藤が背後からトドメを刺す…というもの。

緊張のしすぎは怪しまれる…そう付け足す童子切殿は、流石と言うべきか、いつもと変わらない御様子。


ふうと小さく息を吐き、気持ちを切り替える。

一期「そろそろ行きますかな…
準備はいいですか？」

後藤「おう！」

蛍丸「うん、ばっちり」

童子切「ん……大丈夫だよ」

一期「では」

門を開け、中へ足を踏み入れ「ただいま戻りました」と叫んだ。

この間に後藤は素早く物陰に隠れながら潜入。

審神者「あーもう帰ってきたのね
…って、その方は？」

本丸の建物の中から出てきたこの女人が審神者ですな。

一期「演練相手の本丸の…」

童子切「主の、一之瀬です……」

蛍丸「近侍の蛍丸でーす」

童子切殿と蛍丸殿を見た審神者は目を丸くして驚いていた。
美麗な青年と、ずっと欲しがっていた蛍丸殿が目の前にいれば驚くのも無理はないでしょうね！

審神者「あ、あら、いらっしゃい！
ゆっくりしていって…」

もう顔も真っ赤で半分パニック状態。
そんなに驚くとは…
本丸に来た理由はなくても大丈夫ですな。

審神者「い、一期！お茶用意してきなさい！」

一期「…かしこまりました」

靴を脱いで本丸に上がり、ちらりと見える台所らしき部屋に向かう…

フリをして物陰に隠れていた後藤に指示を出す。

一期「後藤、頼んだよ」

後藤はニッと笑って「りょーかい！」と返事をした。



＊＊＊
評価6件…早すぎやしませんか？
ほんと泣きそうです！ありがとうございます！m(_ _)m
よれしければ評価、コメントなどよろしくお願いします！

伍拾振目→←肆拾八振目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す