三条と粟田口、計18振の兄ですが何か？其の弐【刀剣乱舞・男主】

肆拾伍振目 ページ1

ブラック審神者side


審神者「じゃあ今夜はよろしくね？」

乱「…はい、主…」

ああ堪らないわ！

この顔

この体

この声

全てが可愛くて堪らない！

どうして子供ってこんなに可愛いのかしら。

泣き顔も、絶望的な顔も、みんな愛しい。

あたしが短刀達に夜枷させ始めたのはもう随分前だけど、
それもこれも全部あの子達が可愛いのがいけないのよ！


乱「あの、いち兄は…？」

審神者「一期〜？演練よ」

乱「そっか…」


この本丸には他人が勝手に入れないように結界が張ってあるから
他人に見つかることもない。


最っ高…


＊＊＊

乱side


主に軽く返事をして部屋に戻る途中
荒れ果てた庭を見ながら何となく縁側に座り込んだ。

また一人なのかな、いち兄。

僕達短刀は夜枷に使われ、他のみんなは傷だらけのこの本丸。

乱「はぁ…今夜は僕か〜」

夜枷の相手は主の気分によって変わるから
呼び出された時点でなんとなく察しはついてたんだけどね。


主を殺しちゃいたいなーって気持ちは山々なんだけど、付喪神は審神者の霊力があってはじめて身体を持つことができるわけで…。

要するに、新しい審神者さんが来なきゃ僕達は消えちゃう。

主を殺したら僕だけじゃなくて他のみんなも消えちゃう

そしたら

兄弟に会えたことも、みんなに会えたことも

…少しの楽しい思い出も

全部消えちゃうんじゃないかな…
そう考えるとやっぱり主は殺せないよ。


でもやっぱり今の状況はあまりにもツラい。

乱「誰か…助けてよ…」

そう呟いても、返事が返ってくるわけじゃない。
ましてや助けなんて来るはずない。

でも、僕のその考えは打ち砕かれた。


貴方『待たせたな、乱。もちろん助ける』


乱「…え…えぇぇ((貴方『静かに』」

叫びそうだった僕の口を人差し指で塞いだその刀に



僕は



目を疑った。

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