行く先は違えど。section.1【コードブルー】

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医局に来て、今日のフライトの事についてと、三井と少し話した後。わざわざ医局の外まで来て欲しいと言われ、行った時だった。


田所『獅子島先生は大丈夫ですか？』

黒田『薬を飲んだら楽になったと言ってました』

田所『そうですか』

黒田『あの、何か』


部長にしては珍しく、言うかどうか悩んでる様子。暫く経ってから、『琥大郎の事ですか』と聞くと、漸く話してくれた。


田所『獅子島先生が、フライトを減らして欲しいと頼んできたんです。それに、ここ最近は病院に泊まり込んでいるみたいで、黒田先生は何か知ってるんじゃないかと思いまして』

黒田『生憎、私も今初めて聞いたので何とも。ただ、現場でのミスはありません。フライトを減らす理由も無い』

田所『そうですか。分かりました。もう一度、獅子島先生と話してみます』


確かに、おかしいなとは思っていた。たった1日徹夜しただけであんなに体調を壊す筈が無い。でも、当直の記録は無いし、自分の方が先に帰ってしまえば、その後の事は分からない。

でも、他のメンバーから何も無いという事は、救命で遅くまで居るわけでは無いのだろう。


黒田『(一体何してるんだ…あいつは)』


最近やけにヘリ担当が少ないのは、そういう事かと納得したけど、納得いかない。きちんと本人に聞かなくては。



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