行く先は違えど。section.1【コードブルー】

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『こちら翔北ドクターヘリ。三井ー、聞こえるかー？』

三井『聞こえてる』

『詳細を教えてくれ』

三井『患者は2人。39周のショック状態の妊婦と、7、8歳の男児。頭を強く打ってて、意識レベル3桁。瞳孔も左右差出てる。緋山じゃ無理だと判断して、応援を頼んだの』

『了解。現場着き次第、藍沢はそっち行かせて、オレは子供を診る』

三井『お願い』


夕陽に包まれた空を進む事数分。現場に到着した。消防に案内されるまま、ブルーシートの向こう側へ行く。妊婦は既に白車の中に運ばれていて、子供はまだ外に居た。


「すまん、待たせたな」

三井「この子お願い。一度嘔吐してる」

「分かった」


三井と場所を変わってすぐ瞳孔を確認した。


「ここで穿頭して、白車でうちに運ぶ。それでいいか？」

三井「ヘリは？」

「往復してる時間はねぇだろ流石に」

三井「それもそうね。任せていい？」

「当然」


局所麻酔と消毒をして、ドレープをかける。ドリルで穴を開け、溜まってる血を抜けば病院まで持つ。そう考え、すぐに処置を始めた。


「大丈夫だからな…頑張れよ……」


向こうの白車の中からは、妊婦さんの苦しむ声が聞こえる。近くで受け入れてくれる病院を見つけたから、ここでお産をしているみたいだ。かなり苦戦しているようだが、三井が居れば大丈夫だと信じ、子供を翔北へ搬送した。



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