行く先は違えど。section.1【コードブルー】

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日没まで後1時間を切った。三井の言う通り、今日は飛ばなそうだなと思っていたら、ホットラインが鳴り響いた。


『翔北救命センター』

『幕張消防本部です。ドクターヘリ要請です。花見川区幕張町スーパーの路上にて、妊娠39周目のショック状態の妊婦です』

三井「ヘリ飛べるわ」

『了解。翔北ドクターヘリ出動します。詳細は無線で知らせて下さい』


ホットラインを切る頃には、ヘリ担当の2人は居なくなっていた。万が一、現場でお産なんて事になれば時間に余裕が無い。近場に受け入れてくれる所があれば良いが。


「あれ？黒田と森本は？」

大原「2人共オペです」

「あー、そういえばそうだったな」


日没まであと少しって時に、CS室から轟木さんが出て来た。


「どうしたー？」

轟木「藍沢先生と一緒に現場へ行ってください。頭部外傷の子供が居るみたいなんです」

「子供？妊婦だけじゃなかったのか？」

轟木「詳細は無線で、三井先生に聞いて下さい。日没まで時間が無いから、急いで」

「了解」


小児用の救命キッドを持って、ヘリまで走る。藍沢はもうヘリに乗っていた。


梶「急いでくれ。時間が無い」

「すまんすまん」


どういう経緯があったのか知らないが、黒田が藍沢を乗せるとは。珍しいこともあるんだな、と少しだけ感心した。



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