行く先は違えど。section.1【コードブルー】

꒰ঌ‪ episode.28 ໒꒱ ページ29

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「あれ？今日、ヘリ担当藍沢じゃねぇの？」


朝。仮眠室から医局に入って来た琥大郎が、ボードを見るなり眠たげな声色で尋ねる。


黒田「あぁ。カルテの整理と他の奴のフォローに入らせた」

「相変わらず厳しいなー」

黒田「患者を蔑ろにする奴に、ヘリに乗る資格は無い」

「あははっ。藍沢にとっては、ヘリ乗れない方がダメージでかいんだろうなー」


目頭を抑えて腰を叩きながら、いつもより少し疲れてるような声色で言う琥大郎。それが気になり一旦資料から目を離して、琥大郎の方を見た。


黒田「どうした？大丈夫か」

「一晩中モニターと睨めっこしてたから、目がちょっとな。仮眠室のベットも硬ぇし。年寄りには優しくないわ」

黒田「西口さんのモニタリングか」

「そう」

黒田「睡眠はちゃんと取れ。判断力の低下は命取りになる」

「分かってるよ。オレもそんな若くねぇから」


もうそろそろ西口さんの家族が来る。黒田とオレは同席するよう言われてるから、早めに部長室へ行った。感情的になって責め立てる家族を宥めるのは大変だったけど、部長が何とか説明して少し理解して貰えた。

それでも、完璧にって程ではないけど。



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