行く先は違えど。section.1【コードブルー】

꒰ঌ‪ episode.21 ໒꒱ ページ22

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ICUに入り、無数の管や点滴に繋がれた八重のベットを囲み、話を進める。


黒田「塞栓症の方はどうだった？」

西条「血栓溶解は上手くいった。……だが」

「予断は許さん」

西条「その通り」

藍沢「減圧開頭してみてはどうでしょうか」

西条「この場合は殆ど意味が無い。目が覚めるのを待つしかないな」


目が覚めるかも分からない。正直に言えば、望みは薄い。


「なぁ、藍沢。ひとつ聞くぞ」

藍沢「はい」

「お前さ、たかが歯痛だって侮ってたのか？それとも、別で何か気になる事があって適当にあしらったのか？」

藍沢「……」

「歯痛だろうがかすり傷だろうが、救急外来に来た時点で慎重に診るべきじゃねぇのかよ？」

黒田「琥大郎」


今にも胸倉を掴みそうな形相で捲し立てる様子を見て、黒田が口を挟んだ。更に、西条は咳払いをして、「救命の尻拭いはこんなもんでいいか？」と言う。


黒田「あぁ、すまんな」

西条「借りは返せよ。琥大郎ちょっと来い」

「あ？状況が見えてねぇのか」

西条「見えてるから呼んでるんだ。ちょっと借りるぞ」

黒田「構わん」

「は？ちょ、離せ！西条！」


病院だから静かになーなんて、呑気に言いながら琥大郎を引っ張っていく。それを見届けた黒田は、患者の方に視線を戻した。



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