行く先は違えど。section.1【コードブルー】

꒰ঌ‪ episode.16 ໒꒱ ページ17

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「よぉ、藍沢ー」


次の日の昼休み。西条とのオペが終わり廊下を歩いていたら、藍沢を見かけて声を掛けた。丁度オペが始まったくらいでドクターヘリ要請があったらしく、内容は黒田から聞いていた。


藍沢「お疲れ様です」

「お疲れー。お前、現場で腕切断したんだってなー？」

藍沢「そうしないと、心停止の危険があったので」

「あははっ。ウケる。随分あっさりしてんな。患者19歳だろ？」


たったの19歳の腕を切断となれば、シニアならまだしも、フェローならもっと悔やんだり悩んだりする。なのに、こいつは何の迷いも無く、あっさり「切断ですね」と言って始めたらしい。

とんでもないフェローが来たもんだ。


藍沢「命を助けるのが俺達の仕事です。19歳だろうと、切断すれば助けられるなら、俺は迷わずやります」

「うーわ。根っからの救命馬鹿だなー」


スクラブのポッケに手を入れて、笑いながら言う。まぁ、特に気負ってる様子も無いし、心配して損したなーと思いつつ、「まぁ、頑張れよー」と言って横を通る。

しかし、少し歩いた先で藍沢に呼び止められて、足を止めた。


藍沢「獅子島先生だったら、どうしてますか」

「え、オレ？藍沢って人の意見聞くタイプなの？」

藍沢「獅子島先生だから聞いてます」


こいつ、誰になんと言われようと我が道を行くタイプだと思ってたけど、意外とそうでも無いのか。ちゃんと意見とか聞くんだなーと感心した。

なんか、オレだから聞いてるとか言ってたような気はするけど。



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