行く先は違えど。section.1【コードブルー】

꒰ঌ‪ episode.15 ໒꒱ ページ16

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オレは冗談半分…というか、冗談で言った。なのに、黒田のこの表情と声色はなんだ。上手く処理しきれない頭を必死に回して、とりあえずなにか言おうと決めて言葉を探した。


「い、いやいや。急にどうしたー？何か怖いぞー？」

黒田「ずっと聞こうと思っていたんだがな。琥大郎、脳外で何があった？」


暴れ馬。胸腹部外科に居た頃の琥大郎は、そう言われていた。下手したら研修医の頃からかもしれない。上司の言う事は聞かない。独断で勝手な治療、オペをする。

口も態度も悪くて、最早誰も手に負えなくなった。それくらい問題児を極めていた琥大郎は、田所部長にヘッドハンティングされてここに来た時、勝手に脳外に行ってしまった。しかし、1年後。救命に異動してきた時には、今のように明るくてちゃらんぽらんな人になっていたのだ。


「……オレも流石にやべぇなーって思っただけだよ。別に悪い事じゃないだろー？」

黒田「そうだが、いくら何でもおかしいだろ。俺は本当の事を」

「くーろーだ」


ヒートアップする声に被せる。残っていたコーヒー飲み干して、フェンスから離れた。


「何もねぇって。お前の変に疑り深い所は直した方がいいぞー？じゃ、明日のヘリ担当藍沢とだろ？頑張れよー指導医ー」

黒田「琥大郎！」


制止してくる声を無視して、ひらっと手を振って居なくなった。



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