行く先は違えど。section.1【コードブルー】

꒰ঌ‪ episode.11 ໒꒱ ページ12

.꒰ঌ




紗倉「私…治るよね？」

「…」

紗倉「普通に学校に行って、バレー出来るよね？高校も、行きたいとこ決めてるの」


こんな真っ直ぐな目で見られ、言える訳無い。今の所治る見込みは無くて、病状も悪化してるなんて。言葉に詰まって、目線を下げる。

オレの口から言うべきなのか。でも、親御さんからも聞いてないという事は、余計な事はしない方が良いのか。暫く考えて、結局オレは嘘を吐いた。


「大丈夫だ。治療も頑張ってるみたいだし、治るよ」

紗倉「良かった。ありがとね、琥大郎先生」

「おう。今度は、1人でも採血受けろよー？」

紗倉「うーん、考えとく」

「それは絶対受けないやつだな？」

紗倉「そんな事ないよー」


軽口を叩いて笑い合う。酷い罪悪感を覚えながら、紗倉ちゃんに手を振って、病室を出た。丁度お昼時だったので、その足で食堂へ。昼ご飯が乗ったトレーを持って歩いてたら、黒田を見つけたので声を掛ける。


「頭部CTはどうだった？」

黒田「釘が見つかった。近々オペになる」

「まじ？やべぇな。あ、西条にオペになったら呼んでって言っとこ」

黒田「そっちはどうだったんだ」

「あー、いやぁ参っちゃうね。採血する度に駄々こねられると。まぁでも、次はオレが居なくても受けろって言っといたから多分大丈夫」



.

꒰ঌ‪ episode.12 ໒꒱→←꒰ঌ‪ episode.10 ໒꒱

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す