Love is 0 【降谷零~短編集~】

makes me... ページ5

A「着いた〜！」


連休2日目。私たちはとある遊園地にやって来た


A「透、早く早く！チケット買おう！」

零「もう買ってあるよ。さぁ、入ろう」

A「え、えぇ？！もう？！」

零「ネットで買えたから。早く入れたほうがいいだろうと思ってさ。」


便利なご時世になったものだ。
って、ちょっと待った！


A「お金！自分の分出す、いくら？」

零「俺のおごり。Aはめいっぱい楽しんでくれればそれでいいよ。」

A「れ、透…」

零「ほら、早く行くよ。」


そう言うと零は私の手を握って歩き出した

大きい手。私の手をしっかり包んでくれるこの手が好きだ。

いくつかの乗り物に乗った後、アイスを食べながら少し休憩することにした


零「本当、Aはこういう子供じみたところ好きだよな(笑)」

A「そんなことないよー！遊園地はデートスポットにもなるんだから！」


そう、私達の他にもカップルはたくさんいる

とくにここの観覧車は、好きな人と乗れば恋が実る、恋人同士で乗ると幸せになれる、などと言われておりカップルにとても人気だ

零はそういうの知らないだろうけど…


A「あの観覧車、すっごい有名なんだよ？」

零「そうなのか？見た所普通の観覧車だけど…」


やっぱり。
零は観覧車好きかな…？


A「あの…、あとで…乗らない？」

零「いいよ。アイスも食べ終わったし、今から行くか？」

A「うん！」


零はまた私の手を取り、観覧車に向かった


係員「では、いってらっしゃい〜」


in観覧車

A「絶対絶対暴れたりしないでよ？」

零「俺が暴れると思うの？(笑)」

A「そ、そういうわけじゃないけど…」


ただ少し不安定な乗り物が苦手なだけだ


零「A、隣おいで。」

A「え、いいよ、向かい合わせで。」

零「いいからおいで。」

A「だったら透がこっち来てよ」


ぶつぶつ文句を言いながら慎重に零の隣に移る


零「今は透じゃなくて零でいいだろ。」

A「そうだね、零。」


しばらく沈黙が続くと、零が私の頬に手を添え、自分の方に向かせた


A「えっ、零？」


見ると零はとても色っぽい顔をしていて、いつもより数倍かっこよく見えた


零「観覧車ってこういう意味じゃないの？


好きだよ、A」

だんだん零の顔が近付き、目を閉じると唇が重なった

A「幸せに、なれるといいね」

零「俺がAを幸せにしてみせるよ」


その言葉だけで十分幸せです。

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