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雲間がみっつ ページ3

歩き出して十数分もすれば雨は上がり、代わりに先輩と地面がぐっしょりと濡れていた

鞄は後々厄介だから濡らしたくないという要望が出たが、教科書などはどうせ置き勉だろうから断った



せめて財布だけでも持っててくれない?

えっ、良いんですか?

中身はやらんからな。

ちぇ。



本気でやるつもりはないが、少し残念だという風に見せれば当たり前だろ!!っと怒られた
これから後輩に奢って貰う身で何をいうんだという話だ


そうしてもう数分、学祭の出し物などについて話し合っていると学生に人気の駄菓子屋が見えてくる
ここはおばさんが1人で切り盛りしている駄菓子屋だ
小さい時になんで駄菓子屋をやっているのか聞いた気がしたがあまり覚えていない



おばちゃんこんちわ〜

ちわっす。

はい、こんにちわ。今日は何を買いに来たんだい?

アイス!今日暑いからな。

はいはい。でも食べ過ぎてお腹壊さない様にねぇ。

そんな子供じゃないわ!



そんな世間話をしながらアイスのコーナーから目当てのものを探す
自分は無難なバニラバーを手に取るが先輩はまだ迷っている様だった



早くしてください。

いや、悩ませろよ。別に特に急ぎの用はないだろ。

いえ、早く帰ってゲームのストーリー進めなきゃなんで。

んー。確かにそれは急ぐなぁ。



そういうと先輩はスーパーカップを手にとって渡してくる
しっかりとここで一番量があり、そこそこな値段があるものを選ぶあたり抜かりない



はぁ、お願いします。

あいよ。お兄ちゃん優しいねぇ。

え?あぁ、ありがとうございます。

ふふ、それで足元とられない様にねぇ。



はいよ、と言って渡してくれたアイスを手に取りお礼を言って外へ出た
さっき言われた言葉の意味はいまいちよくわからないままジメジメとした空気を飛ばす様にアイスにかぶりついた

雲間がよっつ→←雲間がふたつ



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作者名:あげのり | 作成日時:2022年5月21日 20時

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