未来予想図【改訂版】

4 side蒼桗 ページ28

慎の掛け声にも反応せずに目線を下に戻す。
メロンジュースの入ったグラスを傾けて「来たよ」っといった。

ん？
何が？

少し耳を覚ましてみれば微かに扉の開く音。
目を向けてみれば、そぉっと顔を覗かせ入ってくる人影ひとつ。



莢「ちょっといってくるわ」

蒼「え？」



何処に？
そんな心を読んだかのように莢扉は口を開く。



莢「水姫のとこ。多分着替えがいるからな」



とだけ言い残して、スタスタと扉に向かう。
どうやら人影は水姫だったようで、莢扉を見つけた水姫は、パァっと顔を明るくすると一緒に出ていった。



慎「莢扉の耳ってどうなってんの？」

蒼「さぁ？」



やっぱ彼奴人間辞めてたのか…。だから背が小さいのか。



春「おーい。何やってんの？」

蒼「おー。春翔！」

慎「やほー」



莢扉の代わりに、部活のメンツに挨拶終えた春翔が帰ってきた。
春翔は春翔で有意義な時間を過ごせたようだった。

あとは一紀が戻ってくるだけだけど…。
遠巻きに見てみれば未だにいろんな人と会話している。
ズバズバと物をいう為、好き嫌いが分かれる性格だったが、仲がいい友達は僕らよりも多かった。

羨ましいとかは決して思っていない。
僕にだっているから…友達。



慎「にしても、何が楽しいのかね。ご飯とかは美味しいけどさ」

春「いいじゃん、俺は結構楽しかったよ！」

蒼「わからなくはないな笑」



なんて話していれば、入り口付近が騒がしくなる。
どうやら、水姫が到着したようだ。

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