4 side慎 ページ18
髪をあて遊ぶ風を感じ、頭の中をすっきりさせる。
朝から忙しなく鳥の声を聞きながら歩いていくと、見えてきたのはそこが透き通るほど綺麗な水質を持つ沢。
足をつけようとも思ったのだが、よくよく考えたら今は秋、そして森の中だ。流石に水温は低く気持ちいいでは済まされないだろう。
慎「んー」
取り敢えず近くの木陰に腰を下ろす。
葉の間から漏れてくる朝日は、昼の暖かさはないもののどこかほっとするような、温度ではない暖かさがあった。
目を瞑って耳から入る情報に体を委ねる。
景色は浮かぶ、世界も、設定も。
だけど、やっぱり主人公が浮かばない。
自分の価値観だけだとありきたりな、またこれかと思われる作品しか書けない。
慎「…他の人になれないかな」
これじゃあダメだ。
…書庫で色んな作品漁ってみるか。
どっかの誰かみたいに「よっこらせ」なんてじじくせぇことなんて言わないけど、手をつけて起き上がる。
水「はろぉぉぉぉおぉおぉぉ!!」
慎「っ!!!?!!」
立ち上がった顔面に丁度水姫の顔がくる。
ビビった、めっちゃビビった
水「なんだよ。驚かねぇの?」
慎「結構びびったよ?声出なかったよ?」
水「想像つくわ笑」
いや、現に今がそうなの!
けらけらと笑いやがって。
水「で?こんなとこでどうしたの?もう直ぐ朝飯だけど」
慎「散歩」
水「あー。現実逃避ね」
何故わかった。蒼桗みたいにわかりやすいわけではないはず。
慎「なんか上手く行かないんだよ。他の人とおんなじのはなるべく創りたくないし…。かと言って自分の考察を弄ってやるのはネタが尽きたし…」
水「それでいいんじゃないの?」
慎「は?」
なに言ってんだこいつ。今俺結構な顔してると思うぞ。俺だって最近入り始めたようなもんだからなんともいえないけど、こう言った世界はそんなに甘くなんかない。
水「だって慎の読者って慎の織り成す世界が好きで読んでるんだろ?無理に組み替える必要なくね?」
慎「でも飽きられたら…」
水「あー。そん時はそん時じゃん」
俺はお前のそういうとこ嫌い。
水「慎は自分が考えて、創って、それを観てもらうのが楽しくてやってるんだろ?」
何時も的を射てて
水「それだったら慎の世界を魅せれば良いだけだよ」
背中を押されるから、憧れる。
慎「ん」
水「んじゃ飯いこ!」
主人公、決まったわ。
水「っ!やっべ!」
最高に決まらない主人公。
いいじゃん。
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あげのり(プロフ) - 瀬木さん» まぁ、そんなところです笑 (2020年8月21日 11時) (レス) id: 811184b721 (このIDを非表示/違反報告)
瀬木(プロフ) - 同窓会のとこの莢扉の空白のかぎかっこはご想像にお任せしますってことですか?笑 (2020年8月20日 16時) (レス) id: f1b9d559e1 (このIDを非表示/違反報告)
あげのり(プロフ) - 瀬木さん» 有難う御座います!先の更新で直しておきました!まぁ、流石に寝起きに虫はきついですよね笑 本人たちは実際にはやってなかったので大丈夫ですよ笑 (2020年2月28日 23時) (レス) id: 811184b721 (このIDを非表示/違反報告)
瀬木(プロフ) - すみません、気になるが蚊になるになってます!あと寝起きに虫は可哀想……(笑) (2020年2月28日 23時) (レス) id: f1b9d559e1 (このIDを非表示/違反報告)
あげのり(プロフ) - 瀬木さん» そう言っていただけると、とっても嬉しいです!有難う御座います… (2020年2月10日 10時) (レス) id: 811184b721 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あげのり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/raimu2/
作成日時:2019年10月19日 20時