2 side春翔 ページ16
その日は条件が良かったのか
莢扉が座ったのは窓際に置かれたサイドテーブルと椅子。日向ぼっこができるそこは、寒がりたちのたまり場になっていた。
大きめの窓の外にはさわさわと靡く木々。その奥から登り始めた朝日により、照らされたその景色はとても綺麗だった。
でも
それでも足りなかった。
そこに人が加わった。机の上にはティーポットと、ゆらゆらと湯気をたたせるカップ。足を組み伏せ目がちに開かれた目の先には小さめの小説。
朝のスッキリした空気を通る緑と黄色の光は、最後の仕上げだと言わんばかりに全体を美しく彩っていた。
描きたい
今だろうな。何かを言えばあいつはすぐに動いて崩れてしまう。
ゆっくりと広げていたキャンパスに手をつける。
音を立てないように
気づかれないように
それは宛ら駆け引きのようで、どこか異質な世界のようにも思える。
目に焼き付けながら紡ぎ出したそれは、ここらでいちばんの出来だった。
気がつけばお昼はとうの昔に過ぎていて。
驚きながら窓へと目を向ければまだ小説をやっている莢扉。
いや…
莢「終わったか？」
やられた。
駆け引きは負けだね。
いつからかは知らないがあいつの上がった演技力に魅せられていた。
春「…あー。」
でも、此奴に魅せられたと思うのは癪だから
春「お腹すいた〜」
莢「今すぐ作ろうか」
自分で見つけたことにしてやる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あげのり(プロフ) - 瀬木さん» まぁ、そんなところです笑 (2020年8月21日 11時) (
レス) id: 811184b721 (このIDを非表示/違反報告)
瀬木(プロフ) - 同窓会のとこの莢扉の空白のかぎかっこはご想像にお任せしますってことですか？笑 (2020年8月20日 16時) (レス) id: f1b9d559e1 (このIDを非表示/違反報告)
あげのり(プロフ) - 瀬木さん» 有難う御座います！先の更新で直しておきました！まぁ、流石に寝起きに虫はきついですよね笑 本人たちは実際にはやってなかったので大丈夫ですよ笑 (2020年2月28日 23時) (レス) id: 811184b721 (このIDを非表示/違反報告)
瀬木(プロフ) - すみません、気になるが蚊になるになってます！あと寝起きに虫は可哀想……(笑) (2020年2月28日 23時) (レス) id: f1b9d559e1 (このIDを非表示/違反報告)
あげのり(プロフ) - 瀬木さん» そう言っていただけると、とっても嬉しいです！有難う御座います… (2020年2月10日 10時) (レス) id: 811184b721 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あげのり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/raimu2/
作成日時：2019年10月19日 20時
