希望の苗を植えましょう (ページ36)

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攻めては距離を取りまた攻め込む。避けた際にジアーが攻撃するもレオには当たらず、攻撃を読み最小限の動きで避ける。
ジアーの動きは大ぶりなため、１つ１つに隙ができる。その際に女の子の攻撃が急所に当たり悲鳴の様な咆哮を轟かす。

「レオさん」

レオ「ん」

女の子に呼ばれたレオは一度、女の子の方へ戻る。再度顔を上げたジアーを見据え、一呼吸置いてから動き出す。ゆらゆらと揺れる灯火の影を利用し気配を消して近づく。それに気づいた女の子はジアーの気を引くため動き回りながら攻撃を仕掛ける。
が、ジアーにだって知能は存在する。女の子の攻撃を避け、瞬きの一瞬でレオの後ろに回り込んだ。

「レオさん！」

レオはわずかに遅れたが、反応し体の向きを反転させた。と同時に体に想像以上の力がかかり、後方で戦っていたリンドラ達の近くの木に叩きつけられる。

リン「レオ！」

その事に気づいたリンドラはレオに駆け寄ろうとするも、ジアーに阻まれる。彼女もなんとかレオの方に行かせない様にするので精一杯だった。

リン「くっそ」

ジアーの動きを計算し、予測した動きを出させるために前に走り出す。ジアーは大きく振りかぶり叩きつける様にリンドラに向かって振り下ろした。
リンドラはそれを一足早くワイヤーを伸ばしジアーの顔横を通って木に移る。
ジアーの爪は深々と地面に刺さり身動きが取れなくなっていた。

リン「イずみ！」

いず「りょーかいぃ！」

その隙を逃すわけがなく彼女はナイフで目を潰し、混乱したジアーの足裏の筋を断斬した。
膝をつけ暗闇の中気配を探し続けるジアーにリンドラがワイヤーを使い縛り上げ、生け捕りに成功した。

リン「ナイス！」

いず「もっと褒めていいのよぉ！！」

素早くリンドラが注射を取り出した。

いず「何それぇ」

リン「捕獲用麻酔。枯子族が摂取したら2度と起きれなイ量の325倍」

いず「うげぇ」

容赦なく脊髄にグリグリと差し込み、注入した。全てが差し込まれる頃にはジアーは力が抜け倒れていた。

リン「成功だね」

いず「よしぃ！次ぃ！」

そういって振り返ると、息も絶え絶えに全身ボロボロの女の子が必死にジアーを誘導していた。
未だ倒れて動かないレオからはなるべく距離を取る様にして。

リン「イずみ。僕はレオのとこに行く」

いず「OK。任せてぇ」

それぞれ方向を変えようとした時。
女の子が崩れるのが視界の端に移った。

リン「！？」

いず「！？」

と同時に凄い速さで横を何かが通りすぎた。