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食べないわけにはいかないので、席に着き食事を行う。いつも通り、匂いや味には特に何も無い。普通に食欲をそそる匂いをしていた。
「…!?ぅえぇ」
と思っていたら途端に女の子が食べていたものを吐き出した。
レオや彼女だけで無く、周りにいた者たちもなんだなんだと女の子の方へ見やった。
「どうかナさいましたか?お口ニ合わナかったノでしょうか…。すぐニ別ノもノを!!」
女の子の方に寄っていたレオはその子が必死に首を振り顔を青ざめているのを見ていた。
レオ「待ってくれ、食事はいい。先の戦いで俺がやり過ぎてしまったようだ。気分が悪いようだから寝かせてやってくれないか」
「そういうことでしたら…。でしたら医務室ノ方ニっ」
レオ「いや、急に場所を変えたりするのはストレスになってしまう。ましてや、今まで慣れないことの連続だったんだ、少しでも慣れているところにいさせたほうがいいだろう」
「わ、わかりました。でしたらここで、皆様に明日までノ予定をお話しさせていただきます。これから休憩として明日ノ朝まで自由時間です。そして明日、今日と同じ時間ニ実験を行います」
それだけを聞き、レオは女の子の方へ視線を戻す。足の方もまだ動ける状態では無いと思われる為、先のように抱き布団まで運ぶ。
食事処から離れたそこは会話が到底届かないところであった。
レオ「どうした」
その子はまだ震えていた。青く、なにかを拒絶するかのように。
「…精霊の1人が帰ってきたの。急いだみたいでとても慌ててた。大事なことがわかったようで聞いてみたの、そしたら…」
言葉を切り、とてもいいずらそうにしてあたりを伺う。周りがいないのを確認したら声を潜めてこう言い放った。
「どうやら、ここの料理は実験で失敗したさまざまな種類の種族を捌き、使っているみたいなの」
と。その言葉にレオは思わず口を抑える。自身も口にしたし、何より毒より毒々しかったからだ。
毒が入っている入っていないじゃ無いそれ自体が毒そのものだったのだ。
レオ「だが、他の奴らの気を引いている理由にはならない。寧ろわかった途端に離れていく」
「それなの。味は普通。何か気をひくものもない。まだわからない事だらけなの」
背中をさすりながら気を落ち着かせるため、横にならせるレオ。まずはやはりここから出る方法を探す必要があった。
その後もご飯を食べる気にはならずそのまま明日を迎えることになった。
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作者名:あげのり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/raimu2/
作成日時:2019年5月16日 15時