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音が鳴るもの御構い無しにレオは影に近づく。木刀を振りかぶり速度をあげ、一気に全体重をかけて振り下ろす。が、そこに相手の姿はなかった。
少し視線をずらせば、顔を真っ青にした男の子の姿があった。
「ア、危なイじゃなイか!!」
地面にぺたんと座り込み声を荒げた男の子。見た目はレオと変わらないが、明らかに喋り方が機子族のものだった。
レオ「バトルロワイヤルなんだから仕方がない。見つかったんだ、大人しくくたばっていろ」
「ひっど!!」
レオの攻撃をなんとか避けている男の子。所々傷を作っていくが致命的なものが与えられず、ムカムカするレオ。
「あーもう!!」
限界が近かったのか、煙幕を放ちその場から立ち去ろうとする男の子。
逃げれば脱落なのに…。そんなことを考えながら、まともに機能しない鼻を頼るのをやめ、気配を探し始める。
レオ(いた…)
少し離れた木の上に隠れているのを見つけ、飛びかかろうとする。
でもそれは、頰スレスレを通った矢によって阻まれた。
「はーいぃ」
それを放ったのはあの女。
「ごめんねぇ。見つけちゃったぁ」
どこか楽しそうに話す彼女は笑みを浮かべている。再度矢をセットし、攻撃態勢をとる。
「さぁ。はじめましょぉ?」
女と対峙してから全く抜け出せないでいた。放たれる矢の雨をかわし、距離を縮めるもその分彼女は距離を置く、の繰り返し。遠距離と近距離の差がここで生まれてしまった。
近くで木刀を振るうも軽々と避けられお返しと言わんばかりに矢を放つ。これと言ったけがはなくとも傷は増えるため、レオ集中力は削がれていく。
レオ「というか、普通の矢はありなのかよ」
「そう見たいねぇ」
小声で言ったはずの独り言に返事が返ってきたため思わず振り返る。そこにはレオの脳天を捉えて離さない矢じりがあった。
咄嗟に顔をそらし万を逃れたが、それで決まるものではない。勝負は振り出しに戻ったのだった。
レオ(どうする。あいつはどんな動きをしていた)
攻撃をかわし、受け、仕掛けながらも必死で考えた。考えて、見て、至った正解は、
レオ「ここだっ!!」
「!?」
相手に攻撃し、後方に避けた時レオは彼女の足を払った。避けられた時もう一度踏み込むことで、相手との距離を開けないようにしていたのだ。
足と手を払い、バランスを崩したと同時に弓を手放させる。そして動けないように上に跨り首に木刀を当てた。
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作者名:あげのり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/raimu2/
作成日時:2019年5月16日 15時