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辺りに立ち込める焦げた匂い。思わず鼻を塞いだレオ、その目は倒れた男から離れなかった。
「申し遅れました。そノ者ノ様ニ逃げ出そうとした場合や指示ニ従わナかった場合ニは、首輪ノ方から電流が流れます」
淡々と告げられた首輪の意味に体を震わせる者が多数。彼女も顔を青くし口をはくはくさせている。
「では行きます」と、再び前を歩き出した彼についていく他なかった。
ふと振り返るとそこにはもう男の姿はなかった。
「中ニお入り下さい」
そう言われ入ったそこは、自然の中。高い針葉樹が生い茂り、土の感触も本物そのままだった。
「あり得ない。だってこれは、あの時に消えたはず。緑子族がいなければ無理なことのはず」
レオ「意味がわからん」
「あぁ。えっとねぇ」
最悪の歴史が刻まれた時、一面の緑は焼け、建物も倒れ、跡形もない状況であった。壊れた環境の中、植物が育つわけもなく、みるみると生き物は生き絶えた。
そんな中、北の地では精霊伝説が持ち上がった。ある者が精霊から授かりものをし、不思議な力を振る舞った。その力は心優しき北の地の民達のみに授けられ、北の地の民は西の地の民や生き物が暮らせる様にと力を振るった。
だがそれを悪用とする者が南の地で現れ、北の地の民は姿を消した。
「ということなのぉ。だからここはあり得ないはずなのぉ」
レオ「だけどそれが出来ている」
「ここノ土地は、捕獲した緑子族ノ力を使い繁殖させました。残念ナがら、一度ニ力を使い果たした当事者は亡くなりましたが、我々ノ研究ノ甲斐があり自力でノ繁殖ニ成功いたしました」
レオ「…え」
「嘘。」
その他にも顔を暗くする者が沢山いた。自分達の研究のために多種族の命を惜しまず、尚且つ知る事が嬉しいとばかりに笑顔を振りまく。
それはまるで次はお前らの番だとナイフを突きつけられているかの様であった。
「それでは今から、本日ノ実験内容ニついてご説明いたします」
そう言ったと同時に入ってきた扉が閉まる。
「今からここで皆様ニバトルロワイヤルをしていただきます。ルールは簡単です。
・制限時間は3時間
・出逢った敵を戦闘不能ニすること
・武器は何を使っても構いません
注意事項は
・逃げ出さナいこと
・出逢っても戦わナいこと
・仲間を作らナいこと
です。では10分後、合図を出しますノで皆様初期地点をお決めください」
その言葉と同時に一斉に森に向かって皆走り出した。
それに従いレオも姿を眩ました。
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作者名:あげのり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/raimu2/
作成日時:2019年5月16日 15時