希望の苗を植えましょう (ページ16)

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「オイ。昨日の族長の予想は当たってイたよウだ」

「どういう事だ」

「さっキ三人で見に行ったら枯子族の方で争いガあったのカ、焼ケた匂いとボロボロの城ガ見えた」

「近くまデはいけないからよくは分からなかっタけド」

「イや、ズームしてみても酷イものだった」

ひそひそと話すその内容は明らかにレオ達が起こした反乱の事だった。
何処か詰まるその喋り方を聞きながら様子を伺うレオ。

数体の雄の機子族は周りの子供と思われる機子族を集め、南の地とは反対の方へ歩き出した。
レオは荷物をまとめ、木から飛び降り跡をつけた。

音を出さないように、見つからないように用心深く追えば、途端に感じるなんとも形容しがたい感覚。ゾワっとし、後方に飛び隠れる。すると機子族の町の物なのだろうか、とても硬い金属製の大きく、分厚い高い壁が聳え立っていた。
先の者たちは門の方を通って行っていた。扉の隙間から見えたのは赤い光に照らされる機子族。

いつしか聞いた話だが、機子族は他の種族との関わりを断ち切っているらしい。
見た感じ、高い壁に囲まれて、ドームのようにも見えるここは明らかに他とは隔離されていた。

旅に来たはいいが、どこからどうやって入るか迷っていたレオは背後の物体に気づかなかった。

「不審人物を発見いたシまシた。直ちに捕獲いたシまス」

吃驚してその場から飛び退くも呆気なく放出されたネットに捕まり、終いには手錠をかけられて連行された。

レオ「またこれかよ…」

そのまま近くの荷台に積まれた檻に入れられ運ばれる。

レオ(侵入？には成功だな)

移りゆく景色は綺麗とは程遠く、荒廃し崩れた街並み。以前はとても威厳のあるように建てられていた建物も今は一部は砂に還り倒れてしまっている。
だが、それ以上に目を引いたのは見たこともない物体。機子族の体のように冷たく硬い金属で体を守り、長く黒い線につながっているものなどがあった。

レオ「初めて見るな。(あれはなんていうんだ)」

「君ぃ、ここは初めてかぃ」

周りにいた気配のうち１つに声をかけられる。首を縦に振り頷けば自分の知り得なかった情報が入ってくる。

1番に驚いたのは機子族は昔、人間によって作られた造機物であり生命などは宿っていなく知能と電気で生きていること。
成長をし続け人間の手から逃れ始めた時、あの歴史が爆誕した。そのまま身を隠し荒廃した土地に住み続けた。そして、自分たち以外を知らない為危険物質と見なし排除し続けていると。