10 ページ12
瞼の向こうからさす眩しい朝日によりレオは目を覚ます。
ここ1週間で慣れてしまった起床と兄貴以外からの配給。兄貴の次に来た男はとても傲慢なのか「どうしてこの俺がこんな役得なんだ!!」と八つ当たりをしていっていた。
レオ(そう考えると兄貴はとてもいい人なんだ)
重い体を起こし、いつものように支度をする。なるべく相手には気づかれないように…。決行は今夜。満月が過ぎたため、夜は漆黒に包まれるだろう。
「おぃ!!飯だ!早くしろ!」
復習があっているのかわからないが、今まで学んでいたことを思い出しながら時間が過ぎるのを待っていた。
朝食を食べ、最終確認のためにも鉱山へと足を運ぶのだった。
「レオさん!」
レオ「悪い。遅かったか…」
「平気ですやぃ!!」
本当に信じるか信じないか…は兎も角として、今はとても有力な協力者達を見やる。
頭のいい機子族との混種達が率先して計画を練る。
「僕たちは一階の檻にいるからまずはそこからみんなを出す」
「その為には鍵を探すのと隠密行動できる人がいなきゃ」
「囮役もいる?」
着々と出されていく案に自分は看過できないとあまり耳を貸さないでいたレオ。大体の計画が決まりみんなで集まることとなった。
大きく分けて配役は、チーム数は5班。種族によって偏りが出るが、幸いにも機子族の混種が約3割いたことにより各班の司令塔が成り立つことができた。
後の5割は緑子族の混種。後方支援組と回復組に分かれてもらいそれぞれに配属。
残り2割は、獣子族とその混種。他の種族に比べ数は少ないが持ち前の身体能力で暴れまくっていいとのこと。ただし、あくまで灸をすえるのと脱走のためにしているのであって、傷つけるのが目的ではない。その為やり過ぎないことが条件だった。
後の戦闘向きではないもの達には、先に脱出経路の確保を任せることにした。
「どうです?」
レオ「俺に聞くな。こう言ったのは得意ではないんだ。あんた達機子族は頭がいいと聞いた。大丈夫だろう。最初の囮と、主人の引き出しは俺が担っても?」
「勿論!!」
「あの人のお気に入りですやぃ!!その辺は是非お任せしたいですやぃ!!」
レオ「どーも」
大まかな攻め方、連絡方法、注意事項を発表し皆何事もなかったかのように、仕事に戻った。
レオ「今日…やっと」
各々燃える闘志をその胸に残し、夜を待った。
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あげのり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/raimu2/
作成日時:2019年5月16日 15時