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兄貴「おい。起きろ」
レオ「…んぁ？」
いつもより早い時間。まだ夜が明けないうちに兄貴はやってきた。
レオ「…早い」
兄貴「昨日は遅いと言っていたではないか」
レオ「げんどがある…」
まだ眠っている体を起こそうと、顔を洗いにいくレオ。フラフラとしていて危なっかしいが、怪我には繋がらなかったらしい。
兄貴「流石だな。もう怪我が治っているようだ」
レオ「兄貴は一日かからないだろ」
昨日使っていた道具、教材などを取り出し復習に取り掛かる。
兄貴「これは？」
レオ「お皿」
兄貴「38÷6は？」
レオ「6.3333333…」
…
暫くたち光が差し込んできた頃、兄貴は腰を上げ納得の言ったような顔をした。
兄貴「まぁ、算数の基礎、大まかな者の名称、は大体いいだろう。まぁ、復習と学習は続けていくがな」
レオ「わかった」
兄貴「飯にしよう」
また兄貴が外に行き朝食を取りに行く。今日のご飯はスープのようだ。
レオ「兄貴。スプーンをくれ」
兄貴「おっ。学習したな。だがな、使う前にはきちんと洗え」
レオ「なんでだ？」
兄貴「…次は、マナー系統だな」
これからのことを話し合い朝食を済ませ、レオを鉱山へと連れて行く。
誰にも顔を見られないようにフードを深く被り、下を向き兄貴の後をついて行く。兄貴は入り口で錠を足に固定し、レオを鉱山に入れる。
外に出れば刺さる視線。慣れたというのは嘘ではないが、いいものではない。
レオは他の人がいなさそうなところに行き、黙々と作業に打ち込んだ。
兄貴「おい。時間だ」
ここは兄貴の担当区域のようで、はじめも終わりも兄貴が知らせにくる。
昼食は抜きで、夜まで働き夜食を食べる。
兄貴「飯だ。俺はまだ主人のところにいなくてはいけない。それまでは休息をとっていろ」
レオ「わかった」
兄貴に促され横になるレオ。ここに来て2日が終わったが、予想外のことが起こりすぎていた。
街の混種のこと、これからのことを考えどうするか思案していた後深い眠りにつくのだった。
暫くして扉の開く音が聞こえた。目を開け周りを見るも月明かり以外はほぼ真っ暗だ。
兄貴「遅くなった。外に行こう」
レオ「出られるのか？」
兄貴「俺の管轄だからな」
外につくとそこは草原で、広場よりも大きく、森よりも狭かった。
兄貴「それじゃ行くぞ」
兄貴の合図とともにレオは走り出し、兄貴に向け力一杯拳を振るうのだった。
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作者名：あげのり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/raimu2/
作成日時：2019年5月16日 15時
