うるわしの四人娘 六話 ページ27
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「あ、そういえば梅雨ちゃん、便箋ってもしかして明日の手紙？授業参観の」
ふと、お茶子ちゃんが思い出したようにそう言った。
「そう。あと少しってところで便箋がなくなっちゃって。同じ便箋じゃないと気持ち悪いでしょう？お茶子ちゃんはもう手紙書き終わった？」
「うん！バッチリ！二人は？」
「え？えぇ、もちろんですわ。ただ、やはり個人的な手紙を人前で朗読すると言うのは少々恥ずかしいですけど」
「わかる。私書いてないし」←
「え？」
「親両方とも忙しいから来れないの。居ないのに読む意味ないでしょ？」
「えぇ…仕事休めへんの？」
「無理だね」
一応二人はヒーローだから。
私よりヒーローの仕事を優先してほしいし。
むしろなぜ今日は集まれるんだって話。
「あ、演習の方は学校側の記録用の映像焼き増し予約してある」
「あら、そうなの？」
「うん。凄い残念がってたから少しでも喜ばしてあげようと思って先生に交渉した」
「へぇ……」
なんだろう、暗くなってしまった。
私は空気を変えようと口を開く。
「お茶子ちゃんの家は誰がくるの？」
「え？あ、父ちゃんだよ！本当は母ちゃんも来たかったらしいんだけど。話し合いとジャンケンの末、父ちゃんに決まったみたい」
「仲のいいご家族ですわね」
「ポニーテールちゃんのとこは？」
「母ですわ。そういう行事などは全部」
「八百万さんのお母さんか〜、なんか上品そう！」
「わかる」
明るくなった、かな？
「よく子供の頃、友達からそんなことを言われてましたけど、私にとっては普通の母ですわ。でも、しっかりと家庭を守りながらも、自分のことにも気を抜かずにいるのは女性として尊敬しています」
少し誇らしげに微笑んだヤオモモ。
だが、眉を寄せて「でも…」と続ける。
「少し……おっちょこちょいなところがあるのがたまにキズなんですけど……」
「おっちょこちょい？」
「たとえば？」
「コーヒーと麺つゆを間違えたり、歯みがき粉で顔を洗ったり、砂糖と塩を間違ったり……」
うわぁ…
「ベタベタや！！」
ブフーッとお茶子ちゃんが吹き出す。
いや、これはおっちょこちょいで済ませていいの？
そのうちにんじんと間違えてダイナマイトを切るという昔見たト○と○ェリー現象が起こりそうだけど？(失礼)
続く
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作者名：心哀雪 | 作成日時：2020年4月22日 10時
