うるわしの四人娘 四話 ページ25
,
「──今さらだけど、お一人様ひとつなのに、友達に頼んで買ってもらうのっていいんかな……！？」
「あー確かに…」
「……難問ですわ……。なにしろ、私、こういう事態が始めてなので……」
「実家にいた時は家族で並んで買ったことはあったけど、友達やろ？こう言うのって買収とかそういう汚い大人のやりかたなんかな〜？」
「確かに、誰かが多く買ったぶん他の誰かが買えなかった…なんてこともあるかもしれないわね」
そこまで考えるなんて…
皆いい子すぎない？
私そういうの全く気にしないのに…
「でもさ、お茶子ちゃんは二人を買収したんじゃないんでしょ？なんなら二人から協力を持ちかけたんでしょ？」
「そうやけど…」
「なら私は平気だと思う。所詮この世は弱肉強食ってね。普段高くて中々買えないんだからこういう時くらい贅沢してもバチは当たらないでしょ」
ニコッと微笑むと、お茶子ちゃんは悩むように頭を抱えた。
「うう…悪魔の囁きや……」
まさかの余計悩ませてしまった。
心が綺麗過ぎておばさん灰と化しそうだよ。
「あ、あれお餅パックじゃないかしら」
梅雨ちゃんがお餅パックを見つけたので、私たちはとりあえず見に行くことにした。
近づいてみると…いや別に遠くからでも私目いいから見えたんだけど、お餅パックは大量に積んであった。
「いやめっちゃあるじゃん」
思わずつっこんだ。
「お茶子ちゃん、このくらいたくさんあれば大丈夫じゃない？」
「そうですわ、この中の三袋くらい大海の一滴です」
「むしろもっと多く取っても平気でしょこの量は」
私達に励まされ、
「そ、そうだよねっ」
とお茶子ちゃんは一袋手に取ってカゴに入れる。
しかし、二袋目に手を伸ばそうとして、お茶子ちゃんは手を止めた。
「う〜、でももしかしたらすぐ大家族がどっと買いに来るかもしらんし……お餅パーティー計画してるかもしれんしぃ〜…っ、あ、でも私もお餅パーティーしたいなぁ〜っ…うう、どないしよ〜っ」
「いやそこまで悩む！？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：心哀雪 | 作成日時：2020年4月22日 10時
